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ブックホテル、カフェホテルなど既存ホテルとの差別化を図る異業種からのホテル参入相次ぐ

投稿日 : 2018.01.18

ホテル関連ニュース

2020年の東京オリンピックを前に、宿泊だけでなく付加価値を提供する新しい滞在スタイルのホテルをはじめとする宿泊施設の開業が相次いでいる。特にホテル業界だけでなく、異業種からの参入も目立っており、その流れは2018年以降も続きそうだ。

ホテル業界に求められる「付加価値」

ホテル業界では近年、宿泊だけでなく付加価値としてさまざまな体験を用意するなど、各社がしのぎを削っている。
「パークホテル東京」では館内の随所に芸術作品が展示され、宿泊だけでなく芸術鑑賞も楽しめる工夫がなされている。また、「ホテル椿山荘東京」では究極のくつろぎを体験してもらうためにハイレゾ音源の自然音を取り入れ、五感でのおもてなしを体感できるスイートルームを設置している。
 

既存ホテルとの差別化を図る異業種からの参入

一方、参入する異業種は既存のホテルとの差異化することに重点を置いている。2017年に開業した女性向けデザイナーズビジネスホテル「リリーフプレミアム羽田」では、アメニティーや朝食などをマッシュホールディングスが全面監修。ヨガやオーガニックをメニューに取り入れたモーニングなど「朝美活」のサービスを提供する。
また、婚礼大手テイクアンドキヴ・ニーズによる「トランク ホテル」ではバーを併設したロビーラウンジや串焼き屋を併設するなど、宿泊に留まらないサービスを展開。
ワイアードカフェなどを運営するカフェ・カンパニーの「ワイアード ホテル アサクサ」では劇場やカフェが併設されている複合施設の中にホテルがオープンし、インテリアや浅草での体験ツアーなどを実施するなど、異業種参入ならではのサービスを提供している。

リリーフプレミアム羽田


 

2018年は趣向を凝らしたホテルが次々と開業

2018年には、星野リゾートによる第5のホテルブランドとなる「OMO」が春から立ち上がる。都市型ホテルではなく、都市観光ホテルとして地域一帯がひとつのリゾートとして成り立つことを狙い、ガイドブックにはないローカルな情報の提供などを行う。
そのほか、出版取次の日本出版販売と雑誌の「自遊人」が協業して、館内全体を書斎と捉えて2万冊の書籍がそろえるブックホテル「箱根本箱」や、世界初の全天候型キャンプスタイルを展開するアウトドアブランド「ロゴス」の大規模レジャー施設「ロゴスランド」など、多種多様なコンセプトの宿泊施設がオープンを控えている。
また、「ミナ ペルホネン」デザイナーの皆川明と建築家 中村好文をディレクターに起用し、宿泊施設として“京町家に暮らすように泊まれる”をコンセプトに、キッチンからインテリアまでこだわった「京の温所」を手がけるワコールも参入。
渋谷でホテルにベーカリーやカフェ・レストランとアパレル・雑貨ショップを併設し、茶室をコンセプトにしたシンプルで上質な空間を演出したグローバル旗艦店「ホテル コエ トーキョー」を出店するストライプインターナショナルといったアパレル企業が宿泊事業への参入を表明している。
アパレルやクリエーターなど独自の提案力を持った異業種の参入によって、ホテル業界は更に多様化が進みそうだ。

京の温所

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