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ホテル業界が挑む物流の2024年問題:西武・プリンスとオリックスが共同配送を拡大

投稿日 : 2025.04.17

大阪府

ホテル関連ニュース

株式会社西武・プリンスホテルズワールドワイドオリックス・ホテルマネジメント株式会社は、2025年4月1日(火)より大阪市内での「共同配送」を開始した。これは、両社が展開するホテルに対して、共通の倉庫からまとめて食材を配送する仕組みであり、社会課題であるCO2排出量削減や人手不足への対応、さらには大阪・関西万博開催期間中の交通円滑化や地域連携の強化による観光業の持続的成長への貢献を目指す取り組みである。

西武・プリンスホテルズは2016年から東京都内で共同配送を導入し、2022年には箱根・湘南エリア、2024年には京都・滋賀エリアと順次拡大してきた。一方、オリックス・ホテルマネジメントとの協働は、2024年7月に箱根エリアで開始し、11月には京都・滋賀エリアへと広がった。今回の大阪市内での開始により、両社が他社間で取り組む共同配送の範囲がさらに拡大した形である。

(出典:株式会社西武・プリンスホテルズワールドワイド

配送に使用するのは大阪南港物流センターであり、ここでは各取引先から納品された食品を一時保管し、流通加工や検品を行ったうえで、共同配送便にて各ホテルへ届ける体制が構築されている。今回の取り組みに伴い、同センターでは冷蔵・冷凍庫の増床が行われ、常温・冷蔵・冷凍の3温度帯での保管が可能となった。これにより、配送効率の向上と品質管理の強化が実現される。共同配送により、取引先は個別納品の必要がなくなり、ホテル側も個別対応の手間が省けることから、双方の業務負荷軽減につながる。また、納品車両の削減により、ドライバー不足への対応、CO2排出量の抑制、ホテル近隣の交通渋滞の緩和など、物流の「2024年問題」に対する具体的な解決策ともなっている。

(出典:株式会社西武・プリンスホテルズワールドワイド

さらに、この取り組みは物流総合効率化法に基づく「総合効率化計画認定」を受けており、ホテル業界としては初の認定事例である。2024年11月22日(金)にオリックス・ホテルマネジメントとJ・MADEが、2025年2月12日(水)には西武・プリンスホテルズとJ・MADEがそれぞれ認定された。今回共同配送を実施する施設は、西武・プリンスホテルズが運営するグランドプリンスホテル大阪ベイ、オリックス・ホテルマネジメントが運営するクロスホテル大阪ホテル ユニバーサル ポートホテル ユニバーサル ポート ヴィータである。両社は今後も協働を通じ、地域連携を強化し、観光業の持続的成長に寄与していくとしている。

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