9月30日。岩手県の花巻市は県旅館ホテル生活衛生同業組合花巻支部と、災害時の施設提供に関する協定を締結した。
この協定は、地震や台風・水害などの災害発生時に、被災が予想される、または被災した市民の宿泊受け入れなどに協力するという内容で、同支部に登録している31施設が対象となっている。
避難を要する災害が発生した場合、市は期間と場所、人数などを記載した文書により宿泊施設に協力を要請する(緊急時は口頭)。
この協力には宿泊場所、入浴や食事の提供のほか、宿泊を伴わない炊き出し、飲み水やトイレの提供もふくまれる。
また宿泊と食事の提供にあたっては、市が1人当たり1泊2食分の7,000円を負担するという。
本協定は締結日より1年を有効期間とし、満了日の1か月前までに両者から意思表示がなければ、さらに1年間延長されるとのこと。
今回、市と協定を結んだ花巻支部では、2011年の東日本大震災時にも一時避難所として沿岸住民を受け入れた過去がある。
締結式で安藤支部長は「大規模な人員を収容できる宿泊施設を持つ強みがある」として、協定を通して地域に貢献していきたいという旨を語った。
9月上旬に九州地方を襲った大型台風14号の際は、 GoToの宿泊割引を利用してホテルに避難する人がいたことで話題になった。
新型コロナウイルスの影響で集団避難が忌避される中、多くの個室を備える宿泊施設が災害時に果たせる役割は大きいかもしれない。