静岡県下田市の黒船ホテルから政府の観光需要喚起策「GoToトラベルキャンペーン」の地域共通クーポンが盗まれた事件で、下田署は3月2日、同ホテルの従業員である市川康一容疑者57歳を建造物侵入と窃盗の疑いで逮捕した。
警察の調べによると、市川容疑者は昨年12月12日、下田市柿崎の黒船ホテルの事務室に忍び込み、保管されていた地域共通クーポン1千枚(100万円分)を盗んだ疑いが持たれている。地域共通クーポンとは「GoToトラベルキャンペーン」の一環として旅行者に配布されるもので、旅行期間中であれば飲食店など幅広い店舗で現金の代わりに支払いができる。盗まれた黒船ホテルのクーポンは静岡県内のほか、東京、神奈川、愛知、山梨、長野の6都県で利用可能だった。
事件は昨年12月13日、同ホテルの従業員がキャンペーンを利用した宿泊客に手渡すクーポンを準備しようとしたときに発覚した。クーポンを保管していた事務室に鍵はかかっていなかったという。
盗まれたクーポンは県内の複数の店舗で使われており、報告を受けた事務局が警察に通報。市川容疑者が割り出された。
市川容疑者は従業員の試用期間中に休職しており、犯行時から現在に至るまで休職を続けていた。