ビジネスホテル運営の(株)グラッドシステムズ(大阪市都島区片町、代表:中村登喜夫氏)は、1月29日に大阪地裁へ民事再生法の適用を申請し、同日保全・監督命令を受けた。
同社は、大阪の工務店が1985年(昭和60年)6月より運営していた「大阪シティホテル京橋」の事業を分社化する形で2009年(平成21年)5月に設立された。ビジネスホテルの運営を主力事業として、太陽光の売電を行うほか、僅少ながら損保代理店事業も手掛けていた。
「大阪シティホテル京橋」や「ホテルグラッドワン京都七条」など複数の施設を運営し、各施設とも駅近の好立地であることからビジネス利用客やスポーツ団体、近年はインバウンド需要を取り込むなど幅広い層の宿泊客を獲得していた。
だが、新型コロナの影響で業績が一気に悪化。緊急事態宣言下には休業を余儀なくされるなど、厳しい経営状態を強いられていた。徹底した経費削減など業況改善を図り、さらには政府による需要喚起策「Go Toトラベルキャンペーン」などに後押しされ、一時は宿泊客が戻りつつあった。
しかしながら第3波に伴う緊急事態宣言の再発出や、Go Toキャンペーンの一時停止によって年末ごろから予約キャンセルが相次ぎ、再び宿泊客数が低迷。先行きの見通しも立たないことから、今回の処置を取ることとなった。
申請時の負債総額は約9億7100万円。なお今後は、ホテルの営業を続けながらスポンサー支援による再建を目指す方針。