藤田観光株式会社(本社 東京)が、太閤園、桜苑、オペラ・ドメーヌ高麗橋の営業をことし6月30日をもって終了すると発表した。保有する太閤園の土地などについては譲渡する。
太閤園は大阪で古い歴史を持つ、関西を代表する宴会場の一つだ。1959年4月して以来、国内、海外問わず多くのゲストに利用されてきた。結婚式場としても長い歴史を持つ太閤園は、これまで長い間多くの新郎新婦を祝福し迎えてきたが、その歴史に一旦ピリオドを打つことになった。
2019年末より明らかになった新型コロナウイルス感染症拡大の影響は、多くの観光業者・宿泊業者にとって甚大だ。太閤園を含む藤田観光株式会社グループも例外ではなく、取り巻く事業環境が大幅に悪化し、事業を継続するために施策を検討、実行してきたのだという。昨年12月には、早期退職の募集や不採算事業の撤退を発表している。また退職希望者を募集すると同時に、社員の社外への出向や雇用契約の見直しも行っており、2022年の人件費を19年比で3割減らすとしていた。さらに、不採算事業の撤退などの構造改革も明らかにしており、運営するホテルフジタ奈良の営業を12月で終了したほか、21年以降に開業を予定していた10ホテルのうち、「タビノス」など、7ホテルの出店を中止した。しかし、新型コロナウイルス感染症の事態はまだ収束が見込めず、会社再建を期すにあたり、やむを得ず当資産を売却するという決断に至ったという。
太閤園に6月末までに滞在予定の方の予約はそのまま利用可能であるが、7月以降に予約をしている場合は営業期間内へ変更か、取り消しをすることになる。現在、担当者が順次連絡をしているそうだ。