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未利用魚の活用を考える夏、リゾナーレ熱海の教育型リゾート体験

投稿日 : 2025.05.12

静岡県

SDGs

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(出典:星野リゾート

リゾナーレ熱海では、2025年7月14日から8月25日までの毎週月曜日に、「Fisherman’s Academy 〜夏休みの自由研究〜」を開催する。1泊2日で行われる本プログラムは、漁師の仕事や未利用魚について学ぶことができるサステナブルな体験型イベントである。対象は小学生以上の宿泊者で、7〜11歳が推奨年齢とされている。

静岡県は、黒潮の流れや河川の流入など、多様な地形と海象条件を背景に、地域ごとに特色ある漁業が発達している。リゾナーレ熱海では、この恵まれた環境を活かし、2020年より本プログラムを実施してきた。近年、国連食糧農業機関(FAO)の報告により、世界では漁獲量の30〜35%が未利用魚として廃棄されているという現状が明らかになっており、本取り組みではその課題に対する理解を深めることも目的の一つとなっている。

(出典:星野リゾート

プログラムの初日は、リゾナーレ熱海での事前学習から始まり、参加者は港に移動して漁師とともに翌日の漁に備えた網の仕掛けを行う。天候や波の状況を考慮しながら漁場を選定し、実際に漁船に乗って網を仕掛ける。また、今回は新たに地元の魚屋から未利用魚について直接学ぶ機会が加わり、魚の種類や特性をチャートや実物を用いて学習し、その多様な活用方法を知ることができる。

翌朝は早朝から漁体験が行われ、参加者は前日に仕掛けた網を引く「刺し網漁」に挑戦する。漁師の指導を受けながら実際に魚を獲り、港に戻って獲った魚を市場へ卸す。そして、魚の重さを測って出荷する荷揚げ作業や競りの様子を見学することで、魚の流通の流れについての理解を深める。

釣り見学の後は、未利用魚のみを使ってモーニングプレートを作る調理体験も用意されている。サイズが小さい魚をフライドフィッシュに、骨が多い魚をハンバーガーのパティにするなど、それぞれの特徴に合わせた調理法を学ぶ。自らが調理した魚を味わうことで、食への感謝の気持ちも育まれることが期待される。

体験の締めくくりとして、専用のワークシートに体験内容をまとめる時間が設けられている。スタッフが撮影した写真を貼りながら、感じたことや学んだことを記録し、夏休みの自由研究として完成させることができる。自宅に持ち帰った後も、その記録を通して体験を振り返ることができる。

星野リゾートでは、経済価値と社会価値の両立を目指すCSV経営を重要視し、SDGsをCSV経営を促進するためのフレームワークとしている。リゾナーレ熱海での取り組みは、SDGsの目標である「質の高い教育をみんなに」および「つくる責任、つかう責任」に貢献することを目指している。

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