コロナウイルスによる緊急事態宣言の再開・延長など、引き続きホテルマーケットを取り巻く環境は不安定な状況である。その中でも、ホテル経営における収益アップに寄与する新しいサービスをホテルバンク編集部で独自調査を行う。
今回、紹介するのはフードデリバリービジネス大手の「株式会社出前館」が展開する新規事業の「調理委託モデル型 クラウドキッチン」というサービスだ。
新型コロナウイルスの流行の影響により、フードデリバリー市場は大きく成長を遂げ、コロナ前と比較してデリバリーの新規出店・新規ユーザーともに400%以上と大幅な成長をしている。
その一方で、度重なる緊急事態宣言等の影響もあり、外出自粛・風評被害・時短要請・営業時間縮小といったことが起こり、ホテル業界をはじめとする観光事業者や飲食店、アミューズメント事業者などは非常に大きな打撃を受けている。
これらの事業者への打撃はデリバリー事業の売上にも大きく影響があることから、新しい事業でホテル・飲食店・アミューズメント事業者を後押しする仕組み作りが急務であると考え「調理委託型 クラウドキッチン」というサービスが誕生した。
そもそもこの「クラウドキッチン」とはどのようなものか、また、このサービスをホテルが導入するメリットはどこにあるのか、ホテルバンク編集部で調査した。
■クラウドキッチンとは?
クラウドキッチンとは、以下のような店舗のことをいう。
・一般的な飲食店のような客席を持たずに、調理設備のみを備えた飲食店で、
主に、WEBでデリバリーやテイクアウトでの集客を中心に行う業態
・実店舗を構えながら、実店舗以外の看板(ブランド)をWEB上で展開している飲食店業態
これらは、別名でゴーストレストランと呼ばれることもある。
クラウドキッチン事業を行うメリットとしては、
・低投資でキッチンさえあれば事業に取り入れることができる
・複数のブランドの展開ができ、デリバリーやテイクアウト事業を始めやすい
といった点が挙げられる。
一方でデメリットとしては、
・食材、包材費、販促費、デリバリー手数料の負担が大きい
・オペレーションの負担が増える、人材確保・育成が難しい
といった問題もある。
■「調理委託型 クラウドキッチン」とは?
クラウドキッチンの参入には、先にも述べたように、追加経費や人材の負担という問題もある。しかし、これらを解決し、新しくデリバリー用の収益をクラウドキッチンで確保し、ランチやディナー等活用されていない時間帯において所有するキッチンを最大限活用し、キッチン収益率を最大化できる手段がある。これが今回紹介する「調理委託モデル型 クラウドキッチン」である。
加盟するには、株式会社出前館と調理委託契約を結ぶことになる。その後、出前館が持つデータを元に立ち上げたブランドの商品を加盟店のキッチンで調理・梱包をし、デリバリー配達業務については出前館が行う。また提供された食材・レシピを用いて店内販売を行うことも可能。この売上の30%が加盟店に支払われる仕組みだ。
宿泊者の食事シーンに関する調査によると、最も多いものがコンビニ等の近隣小売店での購入で、次いで近隣飲食店への外食と言われている。こういった宿泊客の食事シーンを館内での飲食に取り込んでいくことで単価を上げるといった活用も可能だ。
また、初期費用は一切発生しないというから驚きである。また、出前館の調理委託となるため、食材・梱包材などのコストやデリバリー手数料は無料である。
加盟店が負担する費用は、水光熱費と、家賃等の固定費や人件費のみ。また、鍋・電子レンジ・食材を保管する冷蔵・冷凍庫などの調理器具など、一般的なレストランで導入されている設備や備品で始められ、キッチンの規模に応じて導入するメニューは相談が可能だという。
受注に関するシステムに関しても専用のアプリが導入されたタブレットが無償で貸与されるほか、出前館のカスタマーサポートセンターがあるため、お客様や配達員とのコミュニケーションに関してもサポートが充実している。 このように、水光熱費以外は既存のリソースを活用できるので、先行投資を限りなく少なく始められる点が、最大の特徴だ。それゆえ、通常のデリバリー事業の参入よりも高い収益率が期待できるという。
コロナ禍や宿泊事業を取り巻く環境の変化が大きい今、このような新しいビジネスモデルで収益アップを検討していてはいかがだろうか。
■参画・お問い合わせについて
以下のお問い合わせフォームよりエントリーすると、資料請求や詳細の案内が受けられる。
【お問合せフォーム】https://forms.gle/fnUfTf1cEbpSfG1VA
■株式会社出前館 概要
所在地:〒151-0051 東京都渋谷区千駄ヶ谷5丁目27番5号 リンクススクエア新宿
代表者:代表取締役社長 藤井 英雄
事業概要:日本最大級の出前サービス「出前館」の運営
資本金:1億円