秋田市内のホテルで集団食中毒が発生し、保健所から4日間の営業停止処分が出された。
秋田市の「アキタパークホテル」で、9月18日に食事をした10代の男女27人が下痢や腹痛などの食中毒症状に見舞われ、医療機関を受診した6人の便からはウェルシュ菌が検出された。
保健所はこの件を集団食中毒と断定。ホテルの飲食部門に対し、24日から27日まで4日間の営業処分停止を出した。患者は全員快方に向かっており、命に別状はないという。
ウェルシュ菌は自然界に幅広く分布しており、牛、鳥、魚が保菌していることが多い。一度「芽胞」を形成すると100度の熱で長時間加熱しても死滅せず、カレーやスープといった煮込み料理では特に注意が必要。学校給食や宴会料理など、一度に大量に調理する現場で発生し、集団食中毒を引き起こすことが多い。
空気を嫌う嫌気性の細菌のため、調理中はよくかくはんし、鍋底まで空気が届くようにすると良い。また、加熱後に長時間放置すると菌が増殖するため、調理後はすみやかに食べ、残りは冷蔵保存しておく。
アキタパークホテルは今回の事故に対し、「新型コロナウィルス感染症拡大の状況を踏まえ、食品を含めた衛生管理の強化の対策を進めていたところでありますが、この度の食中毒事故を防ぎ得なかった事態を極めて厳粛に受け止めております」とし、外部検査機関の指導をあおぎながら再発防止に向け徹底して取り組んでいくと述べた。