アメリカン・エキスプレス・インターナショナル, Inc.は、日本を含む世界7か国を対象とした「アメリカン・エキスプレス 2025年 グローバル・トラベル・トレンド・レポート」を発表した。本レポートでは、日本における旅行意識や行動の最新傾向が明らかとなっている。
(出典:アメリカン・エキスプレス・インターナショナル, Inc.)
2025年において、日本の旅行者は国内外問わず旅行意欲が高く、特に国内旅行では91%が前年と同等以上の回数を予定しており、海外旅行に関しても85%が昨年と同じかそれ以上の頻度で計画していると回答している。これは世界7か国平均の77%を上回る数値である。旅行の目的では、「家族や友人の訪問」、「ゴールデンウィーク」、「一生に一度の目的地への旅行」、「イベント関連の旅行」が挙げられた。加えて、日本の旅行者はお土産文化への意識も高く、旅行前にお土産購入を検討する割合が56%と、旅行前から贈る相手を想定して商品を選ぶ傾向が他国平均よりも強い。支出面では、ゴールデンウィーク期間において93%の回答者が前年と同等以上の支出を見込んでおり、世代を問わず旅行への投資意欲が高まっている。
(出典:アメリカン・エキスプレス・インターナショナル, Inc.)
また、旅行計画におけるAIの活用にも注目が集まっており、日本の回答者の72%が「AIが何かしらの形で旅行に役立つ」と回答した。翻訳支援やアクティビティの推薦、経費管理、パーソナライズ情報の提示など、さまざまな分野でAIが役立つとされている。特にZ世代とミレニアル世代では80%以上がAIの有用性を認識しており、旅行においてもテクノロジーを積極的に取り入れる姿勢が際立っている。
(出典:アメリカン・エキスプレス・インターナショナル, Inc.)
家族旅行における意識にも変化が見られる。子どもがいる日本の回答者のうち49%が「子どもを学校に休ませて旅行に行くことに抵抗はない」と回答しており、教育的意義も含めた旅行、いわゆる「ラーケーション」への理解が進みつつある。これは、子供と一緒に旅行休暇を取得する時期などへの考え方が柔軟になってきている傾向とも見て取れる。旅行のテーマとしては、スポーツ観戦やグルメが特に重視されている。日本では29%が「好きなスポーツチームを観戦したい」と回答し、特に野球人気が高く、野球観戦を目的にした旅行が世界平均を大きく上回る傾向にある。また、旅行先の選定理由として「おいしい料理やレストランがあること」を重視する回答が52%と、日本の食文化に対するこだわりの強さも際立っている。
(出典:アメリカン・エキスプレス・インターナショナル, Inc.)
加えて、日本の旅行者の52%がクレジットカードのポイントを旅行に活用している。Z世代やミレニアル世代ではその割合が65%とさらに高く、ポイントや特典などを活用して旅行のコストを抑えながらも満足度の高い体験を求める傾向が見られる。得した気分やアップグレードへの期待、航空券選びにおける工夫など、賢い消費スタイルが浸透しつつある。
このように、2025年の日本における旅行トレンドは、テクノロジーの積極的な活用、家族や教育を重視した価値観の変化、そして体験とコスト意識を両立させた消費スタイルの台頭が大きな特徴となっている。