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小豆島・妖怪美術館が挑む冬季閑散期克服:「鬼まつり」で入館数が3倍に

投稿日 : 2024.03.04

香川県

新規ホテル情報

(出典:小豆島ヘルシーランド株式会社

香川県小豆島に位置する迷路のまち、土庄本町にある妖怪美術館は、小豆島ヘルシーランド株式会社が運営する施設である。ここでは、900体を超える妖怪の造形作品が展示されており、訪れる人々に妖怪の世界を紹介している。

(出典:小豆島ヘルシーランド株式会社

この美術館では、2024年1月18日から2月29日にかけて「鬼まつり」を開催し、観光のオフシーズンである閑散期に集客を図った。この期間中、鬼の仮装による入館料割引や期間限定の「鬼スイーツ」の販売、さらには「鬼の隠れ宿」と題した企画展を実施。節分の翌日には「節分お疲れさま会」というイベントも開かれた。その結果、2月の入館者数は例年の約3~4倍に増加し、大きな成功を収めた。

小豆島は年間約100万人が訪れる観光地だが、冬期は特に2月に客数が大きく減少し、島内のホテルは休業を余儀なくされるなど、雇用の安定にも影響を及ぼしている。この問題に対処するため、土庄・小豆島両町は2024年1月に「小豆島観光ビジョン」を策定し、「冬期対策」を重要なポイントと位置づけた。

妖怪美術館は、「鬼にも愛を」というコンセプトのもと、節分で追い出された鬼たちを温かく迎え入れるキャンペーンを2023年から開始した。この取り組みは、妖怪美術館ならではの多様性を容認する姿勢を示しており、多くの支持を集めている。愛媛、徳島、兵庫、大阪、福井などから応援に駆けつけたラジオパーソナリティやコスプレイヤー、帽子作家などによって、イベントは大盛況を迎えた。

また、香川県の観光推進キャラクター「親切な青鬼くん」をはじめ、県外からのコスプレイヤーも参加し、このプロモーションは2月の閑散期に妖怪美術館の入館者数を大幅に増加させる一因となった。

2025年2月2日には、鬼まつりをさらに拡大し、「妖怪万博」を小豆島で開催する計画が発表された。これは、妖怪にまつわる作品の展示だけでなく、妖怪のコスプレイヤーによるファッションショー、妖怪の専門家によるトークショー、さらには妖怪に関わる全国の造形作家による商品販売や飲食ブースの出店など、より大規模なイベントとなる。2023年5月から徳島で開催されている「四国妖怪フェスティバル」の第3回目も同会場で同時開催される予定である。

妖怪美術館は、妖怪の起源から現代の妖怪までを紹介する場として、妖怪を世界に広めることを目指している。館長である柳生忠平は小豆島生まれの妖怪画家であり、美術館を通じて「妖怪(Yokai)」を世界語にしたいという願いを持っている。小豆島ヘルシーランド株式会社は、このような地域活性化事業の企画・推進・運営を行っており、小豆島の文化と観光の発展に貢献している。

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