3月27日に発表された2018年の岐阜県内の公示地価。高山市は、観光客で賑わいホテル需要が上昇して地価が高騰。2020年に向けて新たなホテルの開業を見込んでいる。
岐阜県の地価公示
岐阜県が27日、地価公示を発表した。
対前年平均変動率
出典:岐阜県地価公示
上記の表の通り、岐阜県によると県内の地価公示価格の変動率は、住宅地、商業地ともに平成5年以降26年連続で 下落となり、工業地においては平成21年以降10年連続で下落となったという。
高騰する高山市地価
他方で、商業地の上昇地点は、高山市の古い町並みやJR線上に隣接して交通アクセスが良く、再開発の進む岐阜市や大垣市、多治見市の駅周辺を中心に前年より4地点増えて16地点となった。
特に上昇率が最も高いのは、前年もトップの「高山市上三之町47」の9・9%で、「高山市花里町6ー35」がこれに続く、5.2%となった。
これらの高山市の地域は、観光客でにぎわう古い町並みの一角にあり、観光客の増加に伴うホテル需要などが高まった。
高山は、商人町として発展し、江戸末期から明治にかけて建てられた古い屋敷が立ち並び、飛騨産の日本酒や飛騨牛などのグルメが楽しむことができる観光地として人気を集めている。
特に2016年に公開され大ヒットしたアニメ映画「君の名は。」は、飛騨・高山がその舞台となり、アニメの「聖地巡礼地」としてさらなる人気の拡大を呼んでいる。
相次ぐ高山ホテル新設オープン計画
メトロエンジンリサーチによると、こうしたホテル需要の高まりの中で、高山へのホテル出店は2020年までに開業予定として、相次いで計画されている。
具体的には、森トラストと京王グループがホテルの新設を計画中だ。
高山ホテル新設予定の場所
(左が京王グループ、右が森トラスト)
出典:メトロエンジンリサーチ
上記の地図の通り、2件のホテルは高山駅周辺に位置しており、100室前後の大規模施設として、人気の古い町並み周辺での建設開業が予定されている。
デザインは街並みへの配慮も
アニメの大ヒットや訪日客の増加もあいまって、ホテル需要が高まる高山だが、特に古い街並み周辺ではその景観の保存をすることも大切な視点である。
行政側の規制や建設にあたって木造を使用したり、高さを抑えるなどの工夫をホテル側も行なっている。
古い街並みを残しつつ、増加する観光客ニーズを満たす配慮が今後のリピーター需要を獲得する観光地運営としても肝心となりそうだ。