これまでにない新しい「プリンス」ブランド、プリンス スマートインの1号店になるプリンス スマート イン恵比寿が10月8日、開業した。
恵比寿駅西口から約徒歩5分の、野村不動産株式会社が建設した複合施設内にあるプリンス スマート イン恵比寿。情報感度が高い人が集まる恵比寿は、デジタル世代をターゲットとするこのホテルにぴったりだ。プリンスホテルがこれまでに取り込めきれていなかった20代から30代をメインターゲットとしている。
株式会社プリンスホテルはこれまで国内に、3つのブランドホテルを運営してきた。フラッグシップでありラグジュアリー層向けの、ザ プリンス。大規模な宴会場を備えたグランド プリンス ホテル。そして、レジャーやビジネスなど幅広い用途で利用できるプリンス ホテル。この新しいプリンス スマート インは、イノベーションを担う次世代型のブランドとして、国内外のデジタル世代をターゲットに新たに設立された。
宿泊需要が多様化するなか、これまでに獲得しきれなかったデジタル世代の宿泊需要を取り込もうと、20代から 30代やデジタル世代にターゲットを絞ったスマートな滞在を提供するブランドだ。価格帯も、ほか 3 ブランドと比べ低価格に設定されている。
■ ニューノーマル社会に合わせたデザインと機能
プリンス スマート インではニューノーマル社会に求められるホテルとして、従来のような寄り添うサービスを提供するのではなく、最先端のICTやAI技術を活用することで、ホテルスタッフや他の顧客との接触が最低限になるよう工夫されている。プリンスホテルが策定している独自の衛星消毒基準に準拠していることはもちろん、人同士の接触の最たる例である支払いを極力なくすためキャッシュレスに対応。地下に二台備え付けられたランドリーでも電子マネーが利用できる。チェックインやチェックアウトにはスマートフォンのアプリや、エントランスのマシンを使うことで従業員と直接やり取りすることも不要だ。チェックインに利用したスマートフォンを、そのままルームキーとして使うことができる。
ホテルのエントランスにはコンシェルジュではなく、デジタルサイネージやロボットが、情報提供したり、共有したりと必要なサービスを提供する。また、備え付けられた荷物用のロッカーも、スタッフに頼ることなく自分で操作が可能だ。
■ 若手従業員が開発から運営を担当
プリンス スマート イン恵比寿は、11名で運営されている。これは一般的なホテルの運営スタッフ数と比べ非常に少ない数字だ。そして注目すべきは、スタッフの多くが20代、30代の若手が中心となっている点だ。既存のホテル業界の常識に囚われずに、ユーザーに近い目線で、自分たちが本当に使いたいホテルを作り上げようとしている。
■他社と連携したスピーディな出店
プリンスホテルは今後他社と連携しながら、首都圏の他に、これまで出店してこなかった地方都市や新幹線の停車駅、地方空港の周辺都市など、出店していく予定だ。2020年冬には熱海に、来年の夏には京都四条大宮に、そして 2022年には那覇と、店舗数を増やしていく見込みとなっている。
■ 全宿泊者 朝食付き
スマート プリンス インでは、全ての宿泊料金に朝食が含まれている。朝食を提供する、グランドフロアのカフェには愛知県のダイワスーパーが営業する、話題のダカフェが入居。旬の野菜を使用したホットサンドとコーヒー、カフェタイムにはフルーツサンドなどが用意されている。非公開である秘伝レシピの生クリームと、大振りのフルーツがぎっしり詰まったフルーツサンドは絶品だ。テイクアウトもできるため、その日の都合や気分に合わせて朝食をいただくことができる。
■客室
プリンス スマート イン恵比寿の客室は紺と白を基調にし、コンパクトながら機能性や利便性を追求したデザインとなっている。部屋にはスマートミラーやスマートスピーカーが備え付けられており、客室やホテルについての質問にもアレクサが答えてくれる。
プリンスホテルは、メインターゲット層である20代から30代が歳を重ねるにつれ、このプリンス スマート インを入り口とし、プリンスホテルの他3ブランドも利用をするようになるような、生涯顧客の入り口としてこの新ブランド「プリンス スマート イン」を位置付けている。