日鉄興和不動産株式会社は、レジデンシャルホテル事業「&Here(アンドヒア)」の第2弾となる『&Here OSAKA NAMBA(アンドヒア大阪難波)』(全89室)を、2025年4月24日(木)に開業した。昨年3月に開業した『&Here TOKYO UENO(アンドヒア東京上野)』に続き、2号店となる。
同ホテルは歴史と活気あふれる通称”うらなんば”エリアに立地。街の魅力を感じられるデザインを館内に取り入れ、大阪ならではの魅力を“まちごと”楽しめる滞在体験を提供するという。
本記事では、『&Here OSAKA NAMBA』開業の経緯などについて、日鉄興和不動産株式会社に取材を行った。
▷ 公式サイト:https://andherehotels-osakanamba.com/
―――『&Here OSAKA NAMBA』の開業にあたって、難波“うらなんば”という立地を選ばれた決め手は何だったのでしょうか?

大阪のミナミは、もともと&Hereの展開計画上、重点エリアとして事業用地の検討を進めていました。というのも、観光資源が非常に豊富で、周辺の観光地や空港とのアクセスの良さといった“ターミナル性”が大きな魅力だったからです。
用地取得時はコロナ禍の真っ只中でしたが、それ以前のインバウンド客の動向から、東京の主要エリアと並んで重要なエリアと考えておりました。
今回、特別に“うらなんば”を狙っていたわけではありませんが、この場所に決めた理由として、特に外国人旅行者に好まれそうな大型の飲食店が密集していたり、迷路のような裏路地に個性豊かな店舗が並んでいたりする“うらなんば”ならではの街の魅力が、&Hereのターゲットとする外国人の好みに合致すると判断したからです。
日本人向けには懸念があるという声も社内ではありましたが、日々変化する街の様子を見て、この場所のポテンシャルに期待を込めて前向きに判断しました。実際、現在では周辺の飲食店に日本人、特に若者の姿が多く見られますし、“昔のうらなんば”とは違った新しいイメージが出来つつあると実感しています。
―――「なにわの路地裏ユートピア」というコンセプトを具体化するうえで、最も意識されたポイントはどこでしょうか?

このコンセプトを最も体感していただけるのは、レセプション棟から中庭を抜け、廊下を渡ってレジデンス棟、NUMBAR、そして客室へと続く、一連の移動のシーンだと考えています。
裏路地やそこに面するお店の魅力は、その先に進んだ時に想像もしなかった魅力的な空間の発見とその場所の隠れ家感のある居心地の良さだと思います。その魅力をこの場所に落とし込みたいと考えた担当者のコンセプトワードの設定でした。


これを設計者、内装デザイナーなどとイメージを共有し実現した空間なので是非お客様にも感じ取って頂けるとありがたいです。
そのほかにも、共用廊下の客室号室のサイン照明や、隠れ家を意識した客室内のデザイン、秘密基地感のあるバンクベットなど、細部にわたって工夫を凝らしています。
―――たいぞう氏やアンダーグラフとのコラボレーションは、どのような経緯で実現されたのでしょうか?また、アートと音楽による演出に込めた想いをお聞かせください。


&Hereのブランドコンセプトには「Enjoy」「Relax」「Only Here」というキーワードがあり、各施設の独自性を持つこととしております。それは周辺エリアの特殊性を反映させたデザインをインテリアに取り入れたり、周辺の魅力ある人やお店と繋がりを持ったりすることで、ホテルである弊社施設の魅力付けにご協力を頂いております。
本施設でもどのような要素が良いか、誰とコラボするかなどについて検討した結果、吉本興業様やアンダーグラフ様とのコラボを実現することができました。
大阪には魅力的なコンテンツが本当にたくさんありますので、選定には相当苦労しましたが、上記だけでなく、大阪のおばちゃんキーホルダーが当たるガチャガチャやグリコ、ミックスジュースの販売など、いろいろな要素を用意しました。今後もコンテンツを増やし、定期的にアップデートしていく予定です。
―――客室タイプが9種類と多彩ですが、設計において“多様な旅のスタイルへの対応”で工夫された点があればご紹介ください。

客室プランの考え方は、多人数での利用であること、中長期の滞在にも快適であることを基本的な与件として計画しました。ファミリーだけでなく様々な組み合わせのグループに対応できることを意識しています。

特にインバウンドファミリーの需要が多いと考え、4名定員の主要なタイプとなるバンクベッドのプランを多めに設定し、さらにバンクベッドの形状を特にお子様に喜んでいただける秘密基地のような多彩なベッド形状をインテリアデザイナーさんに検討してもらいました。もちろん大人も童心に帰り楽しい体験になると思います。

また、客室にバリエーションをもたせることで、「何度訪れても新鮮な楽しみがある宿」として、リピートしていただけることも期待しています。
―――2025年9月に新宿、2027年に浅草でも開業予定とのことですが、「&Here」ブランドとして今後どのような世界観を広げていきたいとお考えですか?

現在東京に6施設(開業済上野、新宿、浅草、銀座2、秋葉原)、大阪に4施設(本件含)、博多祇園の全11施設の開業予定となっておりが、当面は20施設2,000室までの供給目標としており、展開エリアも広げていくこととなります。
日本各地の旅をされるインバウンドのお客様が、点在するそれぞれの&Hereを自宅の次に心地の良い日本での拠点として利用していただければうれしく思います。
■『&Here OSAKA NAMBA(アンドヒア大阪難波)』概要
所在地:大阪府大阪市中央区難波千日前7-9
交通 :南海線「南海なんば」駅徒歩3分
大阪メトロ御堂筋線・千日前線・四ツ橋線「なんば」駅徒歩6分 他
客室数:89室
設計 :株式会社東急設計コンサルタント
施工 :株式会社松本組
開業日:2025年4月24日(木)
URL :https://andherehotels-osakanamba.com/