ホテル特化型メディア

眠っていたデータから新たな付加価値を

トップ > 新規ホテル情報 > 【取材】奈良・若草山の麓に全5室のオーベルジュ 「VILLA COMMUNICO」開業

【取材】奈良・若草山の麓に全5室のオーベルジュ 「VILLA COMMUNICO」開業

投稿日 : 2024.09.19

奈良県

新規ホテル情報

株式会社narrative(ナラティブ)が、奈良県奈良市の奈良公園内若草山山麓に、全5室のオーベルジュ「VILLA COMMUNICO(ヴィラ コムニコ)」を、2024年9月12日(木)にオープンした。

同施設は2022年および2023年ミシュラン奈良特別版で1ツ星を獲得したリストランテ「communico」のオーナーシェフ堀田大樹氏によるガストロノミー・オーベルジュ。奈良の文化をまとった空間で、未来に残したい奈良の郷土料理を表現しているという。

本記事では、「VILLA COMMUNICO」開業の経緯やこだわりなどについて、運営元の株式会社narrativeに取材を行った。

▷ 公式サイト:https://villa-communico.com/

―――どのような経緯で「VILLA COMMUNICO」を開業することになったのでしょうか

建物の活用についてお声がけをいただき、プロジェクトがスタートいたしました。

偶然、当時「communico」のシェフであった堀田を案内したところ、そのロケーションをとても気に入ってくださり、東生駒の店舗から移転し、オーベルジュとして開業する構想が始まりました。

レストランでの数時間の滞在に留まらず、一晩の宿泊時間をかけて奈良の魅力を伝えたいという思いです。

――― オープンキッチンが主役のレストランの設計について、特にこだわった点を教えていただけますか

特注の薪窯と、キッチンカウンターのデザインにこだわりました。

カウンターはダイニングのデザインに馴染むよう、壁・天井と同じ珪藻土で塗った左官仕上げにしています。

原始的な炎を使う薪火料理をコンセプトにしており、日本の古い台所にある竈をイメージしています。

――― 客室は5つのエレメント(火、水、土、風、木)をコンセプトにしているとのことですが、それぞれの部屋にどのような特徴があるのでしょうか

5つのエレメントにインスピレーションを受けた象形文字のようなロゴと、ラテン語表記が各部屋名となっています。

客室の基本的な設えは同じですが、それぞれの客室名からイメージして和紙作家のハタノワタル氏に描き下ろしていただきました。

ソファー上の絵画、アクセントカラーのラグやクッションなどで、各エレメントを表現しています。

――― 「VILLA COMMUNICO」は奈良独自の食文化の創造と発展に寄与することを目的とした「narrative gastronomyプロジェクト」の一環とのことですが、これまでどのような取り組みを行ってきたのでしょうか

これまで、2018年に開業した世界初の “SAKE HOTEL”「NIPPONIA HOTEL 奈良 ならまち」(奈良市)を皮切りに、2020年には県内最古の醤油蔵を再興した“泊まれる醤油蔵”「NIPPONIA 田原本 マルト醤油」(奈良県田原本町)をオープンしています。

また2022年には、廃銭湯の復活中心に、地元の酒蔵と協業した「泊・食・湯」分離の分散型ホテル「GOSE SENTO HOTEL」(奈良県御所市)を開業するなど、奈良の文化と古民家を活かした事業を推進してまいりました。

さらに、2024年6月、橿原市の重要伝統的建造物群保存地区・今井町に、堀田大樹シェフが監修する奈良の果実を使ったデザートとティーペアリングが楽しめる「dulce communico」がオープンしました。

―――「narrative gastronomyプロジェクト」の今後の展開や計画があれば、教えていただけますか

narrative gastronomyの主役であるシェフ、パティシエ、ソムリエは、職人として食に向き合いつつ、あるときは経営者として、またあるときはビジネスオーナーとして、事業運営における課題に直面しています。

narrativeは、それら主役が輝くための黒子として、企画・開発・設計・経営管理・ファイナンス・マーケティングの側面から支援し、職人が、職人として活躍できる舞台を整えてまいります。

この取り組みを通じ、様々な経験をもったシェフたちが、挑戦を求めて奈良の地へ集まり、群生し、有機的につながることで、伝統と前衛が交錯する新しい食文化を、ともに創造し、発信していく生態系を育みたいと考えています。

――― 最後に開業に向けた意気込みを教えてください

お泊まり頂くお客様に、奈良の食の豊かさをしっかりと感じて頂けるようなオーベルジュにしていきたいと思っております。

■施設概要

施設名   : VILLA COMMUNICO(ヴィラ コムニコ)
開業日   : 2024年9月12日(木)
所在地   : 奈良県奈良市雑司町486-5
客室数   : 5室
施設    : レストラン(22席・個室あり)、宿泊者専用ラウンジ
階数    : 地上2階
アクセス  : 近鉄奈良駅よりタクシー10分・徒歩30分
料金    : 1泊2食付き 67,000円(税込)~/人(大人2名利用時)
公式サイト : https://villa-communico.com
SNS    : https://www.instagram.com/villa_communico/

合わせて読みたい
  • 【取材】ホテルグランヴィア大阪に鉄道デザ...

  • 【取材】⽔の都・⼤阪の堂島に「フォーシー...

  • 【取材】京都府京丹後市の間人に一棟貸し宿...

  • 【取材】東京都品川区にフロア貸切型アパー...

関連記事