京都・新町通に建つ「三井ガーデンホテル京都新町 別邸」が、2026年2月22日にリニューアルオープンする。旧松坂屋京都仕入店跡地という来歴を踏まえ、開業以来のコンセプト「伝統・継承・再生」を軸に、館内各所へ京都ならではのアートや意匠を取り入れた点が特徴だ。
2月18日からは一部営業を先行開始し、2月2日には対象客室の予約受付も始まった。最大4名対応の客室新設・拡充や、フリードリンクを備えたロビーラウンジの刷新など、観光ニーズの多様化に応える“滞在の質”の再設計に踏み込んだ。
本記事では、今回のリニューアルについて、運営を行う株式会社三井不動産ホテルマネジメントに取材した。
公式サイト:https://www.gardenhotels.co.jp/kyoto-shinmachi/
―――今回のリニューアルで、開業時からのコンセプト「伝統・継承・再生」を“変えずに残した点”と、“あえて更新した点”をそれぞれ具体例で教えていただけますか。

当ホテルは「伝統・継承・再生」をテーマに、旧松坂屋京都仕入店(いとう呉服店京店)の商家を現代へ受け継ぐものとして2014年に開業しました。
エントランスホールの木組や、エントランス横および土蔵前の庭石に、再建当時の部材をそのまま用いています。また、レストランの別室として既存の土蔵を保存・再生し、活用している点も開業当時のまま変わりません。
加えて、ロビーやエレベーターホールのアートは彫刻家・小清水漸氏によるもので、かつてここに保存されていた小袖の文様をモチーフとする図柄が、京都仕入店の保存木材に装飾として施されています。
今回のリニューアルで更新した点は、現代の滞在スタイルやホテル運営に即した「機能性」と「過ごし方」の部分です。
客室については、デラックスツインおよびジュニアスイートツインを最大4名までご利用いただける仕様へ改修し、ご家族やグループでの滞在など、多様化する宿泊ニーズに対応しました。内装や設えを刷新しながらも、和の意匠や素材感は継承し、空間の思想は変えずに機能面を更新しています。

ロビー空間では、より自由で気兼ねのない滞在を意識し、ソファを一人掛け中心の構成へ変更しました。お一人様でも過ごしやすく、短時間の休憩から滞在中のくつろぎまで、さまざまなシーンに対応できるロビーへと再構築しています。
さらに、お客様に安定したサービスを提供し続けるため、従業員の事務室や休憩室といったBack of House(BOH/バックヤード)についても改修を行いました。目に触れない部分ではありますが、働く環境を整えることもホテル全体の質を高める重要な要素と捉え、今回のリニューアルで更新しています。
―――旧松坂屋京都仕入店ゆかりの地としての「歴史」や「文化的背景」を、館内のどの場所でどのように体験できる設計にされたのでしょうか。
かつて大丸松坂屋の呉服商があった歴史を紹介するギャラリースペースをロビーに設置しました。松坂屋京都仕入店の起こりから現代への変遷、ホテルになるまでの歴史についてさまざまな文献や資料から読み解き、展示・掲載しています。
また、客室は格子や自然素材を使用した開放感あふれる和空間とし、友禅染を用いたアートや京都の自然をモチーフにしたファブリックをあしらいました。この地の魅力と調和した、ワンランク上の京都滞在をお届けします。
―――格子意匠・自然素材・友禅染アート・帯地といった要素は、どのような意図で選定し、どんな“京都らしさ”を現代的に表現したかったのでしょうか。
格子意匠や自然素材は、京町家の基本形や旧松坂屋京都仕入店の建築的背景を踏まえ、商家を現代的に読み替える意図で選定しています。
また、友禅染を用いたアートや帯地を使用したロビーソファの背もたれは、かつてこの地が最高級呉服の製作拠点であり、染織文化の中枢を担ってきた歴史を象徴する要素です。
伝統的な意匠や素材をそのまま再現するのではなく、現代のホテル空間として心地よく受け止めていただける表現へと昇華することを意識しました。
―――最大4名まで宿泊可能な客室(ジュニアスイートツイン1室・デラックスツイン5室)を新設・拡充された背景として、どのような“多様化する観光ニーズ”を捉えているのでしょうか。

ご家族やグループでの京都旅行にご利用いただけるように4名まで1室でご宿泊可能な客室を新設しました。
また、国内のレジャー利用のみならず、海外からのお客様も数多くお迎えできるようにと、海外のお客様に人気のあるワイドキングベッドを配した客室を、12室から24室へ大幅に増室しました。
―――最後に、2月22日のリニューアルオープンを機に、「三井ガーデンホテル京都新町 別邸」としてお客様にどのような滞在価値を届けていきたいとお考えでしょうか。
新町通りに息づく“大店”の伝統と歴史、佇まいを大切に継承しながら、この地ならではの感性を纏った空間で、お客様に“Stay in the Garden”(手入れの行き届いた庭で憩うような)、寛ぎに満ちた上質な滞在をご提供してまいります。
■三井ガーデンホテル京都新町 別邸 概要

所在地:〒604-8212 京都府京都市中京区新町通六角下る六角町361番
公式サイト:https://www.gardenhotels.co.jp/kyoto-shinmachi/
宿泊予約:https://go-gardenhotels.reservation.jp/ja/hotels/mgh023
客室タイプ:
スタンダードクイーン:22室
スタンダードワイドキング:24室
スタンダードツイン:44室
スーペリアツイン:19室
スーペリアツイン(3ベッド):11室
デラックスツイン:5室
ジュニアスイートツイン:1室
アクセシブルツイン:1室
合計:127室