京都市右京区の静かな住宅街に、和の要素を残した小さな一軒宿「CASA fantasia Kyoto」が2026年1月7日にグランドオープンした。
長らく使われていなかった戸建て住宅を活用し、畳や木のぬくもりと、キッチンや乾燥機付き洗濯機など“暮らすように泊まる”ための設備を両立させたのが特徴だ。1日1組限定の一棟貸しで最大4名まで宿泊可能。空き家増加が社会課題となるなか、観光需要と地域の住環境をつなぐ新たな宿泊のかたちとして注目される。
本記事では、「CASA fantasia Kyoto」開業の経緯や施設のこだわりなどについて、運営を担う株式会社fantasistaに取材した。
―――空き家活用の「第一号宿泊施設」として、この戸建住宅(1K)を選定された決め手は何だったのでしょうか。また、長らく使われていなかった建物を宿泊施設として整える上で、特に重視された点を教えてください。

一番の決め手は、主要な観光地へのアクセスと生活利便性のバランスが良かったことです。いわゆる“泊まるだけ”ではなく、「暮らすように泊まる」を体現しやすい立地・環境だと判断しました。
近隣への配慮や安全衛生、そして法令に基づく適正な運営(管理体制)を前提にしています。そのうえで、京都らしさはきちんと残しながら、長期滞在でも快適に過ごせる品質を重視して整備しました。
―――「暮らすように泊まる」を実現するために、滞在中の過ごし方をどのように設計されていますか。ゲストに一番体感してほしい“京都の日常”は何でしょうか。

滞在中の過ごし方は、「観光」と「暮らし」のバランスを意識して設計しています。たとえば、朝は部屋でゆっくり身支度や軽食を取り、昼は観光地へ出かけ、夜は周辺の飲食店を利用したり、食材を持ち帰って部屋で過ごしたりする、といった流れです。
その中で特に体感していただきたいのは、住宅街の落ち着きや、生活動線の中にある京都の姿です。街並みや地域の店などを通じて、“日常の京都”を感じていただければと考えています。

―――「大切に残したい日本らしい和の要素」として具体的に残されたものは何ですか。一方で、現代の快適さのために新しくした部分があれば、その理由も伺えますか。

素材感や空気感など、住まいとしての和の雰囲気を大切にしています。
一方で、衛生設備や家電、Wi-Fiなど、滞在品質に直結する部分は現代仕様へ更新しました。ここは安心感と快適性を優先して、ストレスなく過ごせることを重視しています。

―――けん玉・お手玉・百人一首などの伝統的な遊びを用意された意図を教えてください。ゲストにどのような時間やコミュニケーションが生まれることを期待されていますか。

言語に依存せず楽しめる“日本の遊び文化”を通じて、宿で過ごす時間そのものが思い出になってほしい、という思いがあります。
あわせて、遊びをきっかけに自然な会話や交流が生まれることも期待しています。
―――今回の「CASA fantasia Kyoto」を起点に、今後グループとして拡大していくホテル/住宅宿泊事業において、どのような宿泊体験を日本各地で実現していきたいか、そしてそのために次に挑戦したい取り組みがあれば、差し支えない範囲でお聞かせください。

当社グループとしては、都心部および沖縄を中心に住宅宿泊事業を順次展開し、「その土地の暮らしに溶け込む滞在」を軸に、地域文化や周辺環境と調和する空間づくりを進めてまいります。
あわせて、空き家活用については、観光需要がありながら十分に活かし切れていない物件を中心に、大都市圏、沖縄にとどまらず地方都市まで視野を広げ、遊休不動産の利活用と旅の受け皿拡充の両立を目指します。
また将来的には、「宿泊DAO(コミュニティ共創ホテル)」として、ブランドごとのファンや常連コミュニティと共に、部屋テーマやアメニティ、季節イベント等を投票などで共創する仕組みも検討しています。
■施設概要
施設名:CASA fantasia Kyoto(カーサ ファンタジア 京都)
所在地:京都府京都市右京区山之内荒木町15-9
特徴:一棟貸し/1日1組限定/最大4名まで宿泊可能
アクセス:
・京都駅から電車で約20分
・最寄駅:京福電気鉄道嵐山本線「山ノ内」駅 徒歩約9分
「嵐電天神川」駅 徒歩12分
京都市営地下鉄「太秦天神川」駅 徒歩12分
・関西国際空港から車で約90分、電車で約100分
・大阪国際空港(伊丹空港)から車で約60分、電車で約70分