京王電鉄株式会社は、2017年4月に提携基本契約を締結した高山グリーンホテル内に、客室・宴会場・レストランを備えた新館を2020年春に開業する。新館には、洋室を中心とした101室の客室に加え、MICEの受け入れも可能な宴会場、宿泊者以外の顧客も利用可能なレストランを備える。
出典:京王グループ
高山グリーンホテルに新館、京王電鉄との関係を強化
同社と高山グリーンホテルは2017年4月に提携基本契約を締結し、これまでに同ホテル内にある「飛騨物産館」を2018年2月に移設・リニューアルしたほか、営業面・運営面での人的な連携もスタート、相互の関係を強化している。
岐阜県高山市は、2016年12月に高山祭の屋台行事がユネスコ無形文化遺産に登録されたほか、高山市内への観光客数も2017年には約462万人(岐阜県高山市)で過去最高になるなど、国内外から多くの人が訪れているエリア。
今後も地域のシンボルとなるホテルを目指し、将来的な資本提携を前提にさらに連携を強め、それぞれが持つノウハウやネットワークを活用することで、ハード・ソフト両面において、商品力・競争力の向上に向けた取り組みを進めている。
このたび開業させる高山グリーンホテルの新館の概要は以下の通り。
所在地:岐阜県高山市西之一色町2丁目180番地(本館に隣接)
アクセス:JR高山駅から徒歩で約6分、高山インターチェンジから車で約7分
建築面積:3,085.39㎡、延床面積:10,132.62㎡
規模・構造:鉄筋コンクリート造 一部鉄骨造 地上7階建
客室数:101室
開業:2020年春(予定)
出典:京王グループ
京王グループと飛騨高山、高速バスで交流促進
京王バスグループでは、1998年から高速バス路線「飛騨高山線」を運行。
2016年7月に、京王線新宿駅の京王モール内に訪日外国人をはじめ多くの観光客に中部地方の魅力を伝えるための観光案内所を開業するとともに、新宿から高山などを経由し金沢・富山へ至るルートを三つ星日本アルプスラインと名付け、バス乗車券を販売するなど、中央道を中心としたインバウンド戦略を推進している。
2017年9月からは、新たな経済交流として、京王電鉄バスと濃飛乗合自動車が共同運行する「飛騨高山線」の高速バスのトランクを活用した「貨客混載」により、飛騨高山の新鮮な野菜や旬な果物を東京へ輸送し、京王ストアが運営する「キッチンコート永福町店」で販売する取り組みを始めている。
既存の高山グリーンホテルは、1973年開業で客室数207室、レストラン7店舗、宴会場10会場などを保有しており、この度の新館の開業はそれを拡大するものとなる。
岐阜県高山市ホテル展開状況
メトロエンジンリサーチによると、高山市には宿泊施設が361展開しており、部屋数にして6,784が提供されている。
新規開業予定施設は4施設が確認され、部屋数にして410の増加を見込んでいる。中でも、注目は、浜松を本拠とするビジネスホテル「くれたけイン」などを展開する呉竹荘が「ホテル呉竹荘高山駅前」(150室、岐阜県高山市昭和町1丁目86-1)を2019年3月に岐阜県1号店として開業を予定しており、同ホテルの競合となりそうだ。
同市内の客室数トップ10は以下の通り。
出典:メトロエンジンリサーチ
同ホテルは現在においても207室で4位にランクインしており、これに新館の101室を加えると、308室に拡大する見込みで、現在1位となっている「ホテルアソシア高山リゾート」(290室)を上回りトップとなる見込み。
京王グループは、本日10月30日に「京王プレリアホテル京都烏丸五条」の開業と高山グリーンホテルの新館の開業を相次いで発表した。
【合わせて読みたい】