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【取材】環境共生型リゾート「MIRU AMAMI」に14室の新宿泊棟グランドオープン

投稿日 : 2024.08.12

鹿児島県

新規ホテル情報

「森と生きる。」をフィロソフィーとする環境再生型の事業展開を行う建設チーム「株式会社ADX」は、株式会社ネストアット奄美と共同で建築計画を進めてきたリゾートホテル『MIRU AMAMI』の新宿泊棟として、計14棟のオリジナルヴィラを2024年7月にグランドオープンしたことを発表した。

同宿泊棟の設計・施工においては、同社が本年4月に発表したブランド「EARTH WALKER」のカスタムシリーズの仕組みを採用。同ブランドとして初めての施工事例とのことだ。

本記事では、「MIRU AMAMI」や新宿泊棟の魅力などについて、株式会社ADXに取材を行った。

▷ MIRU AMAMI公式サイト:https://mirucollection.com/miruamami/ja/miru-amami-home-jpn-2/

―――まず「MIRU AMAMI」がどのような施設か教えていただけますか

「MIRU AMAMI」は、目に見えるものだけでなく、その背景にある奄美大島の魅力を余すことなく表現するディスティネーションホテルです。2020年のオープンからこれまで、地域の自然保全活用への参加や、環境保全のために特定のライセンスを持ったガイドツアーの提供など、奄美大島独自の自然や文化を守りながら発展させていくことに尽力してきました。

この度、「森と生きる」をフィロソフィーとして掲げ日本各地の自然立地で環境配慮型建築を手掛けるADXと、「地域の自然を守るだけではなく、もっと豊かにしていく」ビジョンが一致したことから、新棟の建設計画を進めるに至りました。

奄美大島には大小約200の集落があり、集落ごとに独特な文化や慣習を残しています。その伝統的な集落文化に敬意を表し、既存の「Sea Village」エリアの13棟と今回新築する「Forest Village」エリアの14棟をそれぞれの集落として表現し、同じリゾート内でも趣の異なる滞在を楽しむことができます。

また、在来種や奄美の気候に適応する植物を中心とした植物をヴィラの周辺や屋上、テラス等にも植栽を配置し、周囲の自然と一体となった森をつくり出します。この森が、動植物に新たな生息地を提供し、生物多様性にも寄与することを目指しています。

―――今回の新宿泊棟は、ブランド「EARTH WALKER」として初めての施工事例とのことですが、その魅力やアピールしたいポイントを教えてください

従来のリゾート開発は、森やビーチを切り開く大規模な造成や大量のコンクリートを使った基礎工事、建設現場での大量の廃棄物など自然環境への負荷が小さくありませんでした。一方、今回「EARTH WALKER」シリーズの1つとして設計・建設したヴィラは、自然環境負荷を最小化したサステナブルな工法を採用しています。

例えば、自然立地での建設施工においては、現地の資材・職人不足を補うために、一定程度遠隔地から材料を運搬したり、技術人材を派遣したりすることが求められます。現地施工期間が長期化することによる環境負荷も問題視されています。

本プロジェクトでは、床、壁、天井などの部材をパネルとしてあらかじめ工場で製造し、現場で組み合わせて建築するパネル工法を採用したことで、現地でのヴィラ建設期間を従来工法の1/3である約2ヶ月まで短縮しました。

それぞれの宿泊棟は、いくつかの植木鉢を積み重ねていくように構成されています。植物が生い茂った自然の中にうずまるような感覚を味わえるゲストルームです。葉が落ちて、大地に分解されて、やがて新しい命の土台となるように力を再び得て、青い空と海の待つ開けた世界を体験できる場所。このようなイメージのもと、自然の不思議な力が満ちる空間が完成しました。

―――設計や建設で重視した点や困難だった点があれば教えていただけますか

奄美大島の亜熱帯海洋性気候にどのように適応できるのか、そして地域固有の生態系にどれだけ配慮した建築方法を取り入れられるのかを考え抜きました。

高床式の独立基礎工法や国産針葉樹を使用したバイオ素材のフラン樹脂加工技術、炭化コルクの内装材など、環境負荷の低減と持続可能な資材使用に取り組みました。

さらに、シロアリ防除技術を用いることで建物の長期的な保護も図り、よりサステナブルな建築を目指したことが、重視した点と言えます。

―――最後に今後の展望を教えていただけますか

「MIRU AMAMI」は「EARTH WALKER」として初めての施工事例です。当社が今年4月に発表したこの「EARTH WALKER」のカスタムシリーズは、今年中に別の拠点でも2つのモデルが竣工予定です。国内外問わず、世界各地の自然環境に合わせた多くの「EARTH WALKER」を建てていきたいと考えています。

冒険家の精神を持つ人々が、勇ましい山々、巨大な氷河、多様な生命の宿る豊かな森などのような、まだ見ぬ未開の地において安全に滞在し、豊かな自然を楽しめるように、ADXらしい建築の姿を追求していきます。

■ 施設概要

名称:「MIRU AMAMI」新宿泊棟
所在地:〒894-0412 鹿児島県大島郡龍郷町芦徳 800
公式サイト:https://mirucollection.com/miruamami/ja/miru-amami-home-jpn-2/
アクセス:奄美空港から車で20分
敷地面積:3,487.61㎡
延床面積:539.91㎡
客室面積:31.05㎡ / 40.16㎡
総戸数:14棟
構造:木造
設計:ADX
施工:ADX・中村建設

【ゲストルーム】
室内面積:
 SEASCAPE VILLAS  40.16㎡
 BAYVIEW VILLAS WITH OUTDOOR BATH 40.16㎡
 BAYVIEW VILLAS 31.05㎡
収容人数:
 最大3〜4名(セミダブルベッド2台・ソファベッド 1台)

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