鎌倉で古民家「古今」が2019年1月開業ー民泊新法適用事例

株式会社くらつぐは、2019年1月7日、163年前の安政2年(1855年)に建てられた古民家に、日本家屋の魅力を残しながらリノベーションを加えたホテル「鎌倉 古今」を開業することを発表した。侍の古都鎌倉で、6月15日から施行される民泊新法の適用事例となる。別荘地湘南・鎌倉のポテンシャルや民泊影響稼働率の分析と合わせてお送りする。

 

鎌倉で古民家再生、高級民泊施設に

2019年1月7日から、鎌倉の山あいに幕末に建設された古民家が、宿泊施設「鎌倉 古今」としてリノベーションされ、開業を予定する。 民泊新法施行となる2018年6月15日(金)より、「鎌倉 古今」の公式サイトにて予約受付を開始。民泊新法に基づき、180日限定で営業する。

運営する株式会社くらつぐは、小田原に本拠を置き「日本の伝統文化の象徴である古民家を活用することで、次世代のストックとして未来へ向けて継承し、日本の真の豊かさを実現したい」というビジョンを掲げ、社名の「くらつぐ」には、鎌倉を受け継ぐ、暮らしを繋ぐ、古き良きものを継承する、多くの人を結び付ける、との意味を込めた。

 

同施設では、建物の梁などは江戸時代に建築された当時のものを使用。90平方メートルの客室を提供し、マイクロバブルバスや最高品質の寝具を用意し、最先端技術と古風な日本らしさが共存するラグジュアリーな施設とする。価格は、一泊(1名)48,000円〜。

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別荘地湘南・鎌倉のポテンシャル
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古民家は、民泊新法の施行に伴い、宿泊施設として利用できるようになったことから古民家の再生事業に関心が高まっている。「鎌倉 古今」は鎌倉における古民家ホテルの先駆けとして、新たな観光体験の提案を目指す。
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海と山に囲まれる湘南・鎌倉地域は、歴史的に文学者や画家、映画監督、俳優などの文化人に多く愛され住まれてきた。政財界人の別荘地としても多く利用されてきたが、そのような別荘で現在全く使われなくなったものやあまり使用されていない物件も多く存在していることから、民泊としての活用が注目されている。

また、同施設内にはオーガニックレストラン「COCON」が開業し、オーガニックレストランの先駆けとしても知られる奥田政行シェフがプロデュースし、イタリアンベースのオーガニック料理が提供される。

地元ならではの新鮮なあやめかぶや白ナス、かぼちゃなどの鎌倉野菜や湘南名物のしらすなどの地元海鮮料理、クラフトビールの鎌倉ビールなどもあり、そうした食材や飲料を使用したおもてなしも期待できる。

 

鎌倉の民泊影響稼働率

大規模な宿泊施設の少ない鎌倉では、メトロエンジンリサーチによると、現在宿泊施設が62、部屋数にして997が提供されている。

また、民泊は、59室(2018年4月現在)が提供されており、民泊によって宿泊施設が受ける影響稼働率「民泊影響稼働率」は以下の推移を示しており、18.84%(2018年6月1日現在)となっている。

 

鎌倉市民泊影響稼働率

出典:メトロエンジンリサーチ

 

(民泊影響稼働率の定義は下記の通り。

民泊影響稼働率(%) =  民泊実稼働数(A)  /  ホテル客室数(B) ×100

民泊実稼働数(A) = 該当エリアの民泊物件数 × 民泊稼働率

ホテル客室数(B) = 該当エリアのホテル客室数(ビジネスホテル・シティホテル))

 

鎌倉では、由比ヶ浜や七里ガ浜など海沿いを中心として別荘が高級民泊として活用されることで、民泊も高い稼働率を示しており、ホテルなどの宿泊施設に与える影響も観光シーズンを中心に高まっていることがわかる。

 

民泊新法の施行により、廃業する業者が注目を集めるが、同施設のように新たに古民家再生などで新規参入する業者も今後増加することとなり決して一枚岩ではない。古民家や民泊の今後の動向を注視していきたい。

 

出典:鎌倉 古今

 

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