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旅行者の価値観と行動の変化:2025年版「Traveler Value Index」に見る最新動向

投稿日 : 2025.05.28

指定なし

調査

(出典:エクスペディアホールディングス株式会社

エクスペディア・グループは、世界11市場において11,000人以上の消費者を対象とした調査、2025年版「Traveler Value Index」を通じて、旅行者の計画および予約方法が大きく変化している実態を明らかにした。

調査によると、旅行は依然として多くの人々にとって重要な存在であり続けている。回答者の半数は旅行が5年前よりも現在の方が重要であると回答しており、旅行が個人的な充足感において不可欠な役割を果たしていることが示された。さらに、88%の人々が今後12か月以内にレジャー旅行を計画しており、そのうち68%が海外旅行の予約を検討している。これは2022年時点と比較して19%の増加となっている。また、近年では、仕事とレジャーを組み合わせた「フレックスケーション」や「ブレジャー」といった新たな旅行スタイルも広がりを見せている。

旅行先を選ぶ際の決め手として、価格は引き続き重要であり、58%の人が今後1年間で価格への意識がさらに高まると予想している。一方で信頼性も重視されており、全体の約75%がレビュー評価の高い宿泊施設に対しては、より高い料金を支払う意向を示している。

旅行のアイデアを得る手段として、ソーシャルメディアの存在感も増している。全体の61%がSNS上で旅行のインスピレーションを得ており、これは2022年の35%から大きく増加している。また、73%がインフルエンサーの推奨が旅行予約に影響を与えたと回答しており、インフルエンサーが信頼できる情報源として影響力を強めていることがうかがえる。特に40歳未満の層ではその傾向が顕著で、84%がインフルエンサーの意見が旅行先の選択に影響したと答えている。

また、ロイヤリティプログラムを利用して旅行を予約したいという意向も強まっている。旅行者の83%が、ポイントの使い道として旅行を最も優先したいと考えており、82%はクレジットカードや小売業など、旅行業界以外のロイヤリティプログラムを通じた旅行予約にも関心を示している。これは、ポイント活用の選択肢が広がっていることを示している。

調査では、地域や世代による傾向の違いも明らかになっている。中国では87%、英国では77%、ドイツでは72%の人々が今後12か月以内に海外旅行を計画している。一方、40歳未満の層では、仕事と休暇を組み合わせる旅行スタイルを好む傾向が強く、ブレジャーやフレックスケーションの選択が多く見られる。また、ホテルやバケーションレンタル、現地アクティビティ、クルーズといった旅行関連サービスでは、レビューの良さが選択に大きく影響しており、特に若年層においてはその傾向が顕著である。80%が、レビュー評価の高い宿泊施設に対してより多くの料金を支払う意志を示している。

飛行機を使った旅行では、重視する要素が国によって異なる。多くの地域で「価格」が最も重要とされる一方で、中国では「非接触型体験」、ドイツでは「全額返金」が最も重視されている。また、カナダ、オーストラリア、フランス、イタリアの旅行者も「価格」を最優先事項に挙げている。

レンタカーの利用においても、世界的に「価格」が最も重要視されており、特にカナダ、オーストラリア、米国でその傾向が強い。ただし、40歳未満の層では、価格だけでなくレビューの評価も選択に大きな影響を与えている。

エクスペディア・グループの最高商務責任者は、現在の不安定な経済・地政学的状況の中で、旅行者の行動や価値観の変化を理解することがこれまで以上に重要だと述べている。旅行への欲求は人々の生活に根付いており、同社はパートナー企業に向けて、こうした変化に対応するためのインサイトとツールを提供しているとしている。

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