プリファード ホテルズ&リゾーツは、80カ国、600軒以上のホテルが加盟する世界最大の独立系ホテルブランドとして、初となる「ラグジュアリー トラベル レポート」を発表した。このレポートは調査会社ハリス・ポールとの共同調査によりまとめられ、世界のラグジュアリー旅行市場の最新トレンドが示されている。調査では、富裕層の旅行意欲が依然として高いことがわかった。彼らは今年、平均8回のレジャー旅行を予定しており、そのうち3回は海外旅行である。また、半数以上が前年よりも旅行に多くの予算をかける意向を示している。
(出典:プリファード ホテルズ&リゾーツ)
この調査は2025年2月から3月にかけて実施され、米国在住の年収25万ドル以上、総資産100万ドル以上、年間レジャー旅行支出1万ドル以上の富裕層旅行者500名以上を対象に行われた。結果によると、現代の富裕層旅行者は「お金」だけでなく、旅の「意味」や本物らしさ、感情的なつながりを重視している。彼らは画一的で大量生産された旅には満足できず、心に残る唯一無二の特別な体験を求めている。
(出典:プリファード ホテルズ&リゾーツ)
レポートは「ラグジュアリートラベル 5つの新潮流」として、今後のラグジュアリー旅行の方向性を示している。特に「Beige-ification(ベージュ化)」という現象では、デザインやサービスが均質化し、どこも同じような空間になることへの警鐘を鳴らしている。調査対象の約70%が、現代のラグジュアリーホテルが標準化で魅力を失っていると感じ、75%が型通りの宿泊にはお金を払わないと回答した。
(出典:プリファード ホテルズ&リゾーツ)
「Legacy Moment(レガシーモーメント)」の概念では、物質的な豊かさではなく、人生を変える体験が新たな価値基準となっている。富裕層の80%以上が「インサイダーネットワークこそが忘れられない旅の瞬間を生む」と考え、64%がAIよりも地元の人の助言を重視すると回答した。「Curation(キュレーション)」も重要で、90%以上が最上の旅は努力を感じさせず、緻密に作り込まれていると考えており、89%が宿泊先に地域の魅力を反映することを期待している。旅行アドバイザーの信頼度も高く、84%が無限のネット検索より価値があると答えている。
また、「Heritage(ヘリテージ)」として歴史や文化をただ「見る」のではなく、「体験」したいという欲求が強まっている。90%以上が歴史や文化に没入できる体験を求め、71%が多世代旅行を計画していることから、家族の絆やルーツを深められる宿泊施設への需要も高い。さらに、ロイヤリティプログラムの重要性も高まっており、82%がホテルの品質保証に不可欠と考え、約3分の2が満足度の高い滞在がリピート利用につながると答えた。
プリファード ホテルズ&リゾーツのCEOであるリンジー・ユベロスは、今回のレポートを通じて変化するラグジュアリー旅行者の価値観を理解し、世界各地のホテルが提供する唯一無二の体験や地域の魅力をより多くの人に知ってもらいたいと述べている。また同社は「Believe in Travel」というブランドプロミスのもと、独立した精神と人生を変えるような本物の旅の提供に力を注いでいる。