(出典:株式会社JTB)
JTBは、2025年夏休み(7月15日~8月31日)における1泊以上の旅行について、日本人旅行者の動向をまとめた。調査は経済動向、観光関連データ、消費者意識調査、同社グループによるアンケート結果などをもとに推計されている。総旅行者数は7,464万人で、前年より0.8%増加し、総旅行消費額は4兆264億円と前年から8.2%伸びる見込みである。
(出典:株式会社JTB)
国内旅行の旅行者数は7,220万人、旅行消費額は3兆3,212億円、1人あたりの旅行予定費用は46,000円と、いずれも前年比で増加傾向にある。国内旅行の主な目的には「家族と過ごす」が最も多く、「リラックスする」「自然や風景を楽しむ」「地域の食を味わう」などが続く。旅行日数では「1泊2日」が最多であるが、「2泊3日」「3泊4日」「8泊以上」が前年より増えており、旅行期間がやや長期化する傾向がみられる。旅行先としては関東や近畿が多く、北海道や甲信越、九州、沖縄も前年より選ばれる割合が増加している。
(出典:株式会社JTB)
同行者については「子供連れの家族旅行」が最も多く、「夫婦のみ」や「ひとり旅」が前年から増加した一方、「友人・知人との旅行」は減少した。利用宿泊施設では「ホテル」が最多で、「旅館」や「親族宅」も前年より利用率が上昇している。移動手段としては「自家用車」が半数を超えて最も多く、「JR新幹線」「私鉄・在来線」も利用されているが、LCCの利用が伸び、フルサービス航空会社や高速バスは減少した。
(出典:株式会社JTB)
海外旅行に関しては、旅行者数が244万人となり、前年を20.8%上回る。2010〜2019年の平均と比較して約9割まで回復している。1人あたりの旅行予定費用は289,000円、総旅行消費額は7,052億円に達する見通しである。旅行先としては韓国とヨーロッパが同率で最多となり、台湾や東南アジアも人気を集めている。旅行日数は「3泊4日」が最多であるが、「5泊6日」や「2泊3日」も増加しており、旅行スタイルの多様化が見られる。
(出典:株式会社JTB)
夏休みの旅行意向は調査時点で34.2%であり、前年をわずかに上回った。若年層の意向は高い一方、前年よりやや低下しており、シニア層の意欲は回復傾向にある。旅行に行かない理由としては、「混雑するから」「家計に余裕がない」「家でのんびりしたい」が多く挙げられている。旅行者の間では、SNS映えする場所の訪問や、スマートフォンから離れて心身を癒やす過ごし方、自然体験への関心が高まっている。
(出典:株式会社JTB)
経済環境では物価高や円安傾向が続く中、ボーナスの増加が個人消費を支える要因となっている。一方で、生活費を節約しつつ趣味や旅行に費用をかける意向もみられ、消費者の支出にはメリハリがある。JTBでは、関西万博や新テーマパークの影響で京阪神や沖縄本島の予約が好調であり、中国・四国地方への旅行も増加していると分析している。