デジタル旅行プラットフォーム「アゴダ」を運営するAgoda Company Pte. Ltd.は、アジアの旅行者を対象にした調査結果をもとに「Agoda 2026 トラベルアウトルックレポート」を発表した。本レポートでは、2026年に注目される5つの旅行トレンドを紹介しており、アジア各国の旅行動向から、旅行者の意識変化や新たな行動様式が浮き彫りとなった。調査によると、アジア全体で「自国を再発見する旅」への関心が高まっており、特に日本ではその傾向が顕著である。
(出典:Agoda International Japan 株式会社)
日本では回答者の67%が「2026年は国内旅行を増やす」と回答し、前年の20%から大幅に上昇した。これはアジア地域で最も高い結果であり、旅行者の関心が海外から国内へと移行していることを示している。背景には、費用面の合理性に加え、身近な地域の文化や自然を再発見し、より充実した体験を求める価値観の変化があるとみられる。調査はアジア9カ国・地域で実施され、旅行者3,353名を対象に行われた。
また、旅行目的の多様化も進んでいる。特に「食体験」を重視する旅行者が増加し、アジアでは台湾、ベトナム、韓国がグルメ目的の旅で上位に挙がった。日本でも約3人に1人が「食を旅の主目的のひとつ」としており、地域の食文化や地元料理の探索が旅の重要な要素となっている。さらに、費用対効果を重視する傾向も強まり、宿泊施設を選ぶ際の最重要要素として「価格」を挙げる旅行者が39%を占めた。日本では63%が「予算が旅行全体の計画に影響する」と答えており、旅行全体に“コスパ意識”が広がっている。
旅行スタイルの変化としては、家族や夫婦での短期旅行の増加が挙げられる。アジア全体で年間4〜6回の短期旅行を予定する人が35%に上り、日本では1〜3日の旅行を計画する人が59%と地域内で最も高かった。特に日本では「家族旅行」や「夫婦・カップル旅行」が重視され、身近な場所で気軽にリフレッシュするスタイルが定着している。さらに、人工知能(AI)の活用も進んでおり、アジアでは63%の旅行者が次回の旅行計画にAIを利用したいと回答した。AIは現地スポットの検索、翻訳、旅程作成などで活用され、個人に合わせた旅の設計を支えている。
Agoda International Japanのカントリーディレクター中林さとみ氏は、日本の旅行市場について「国内の定番観光地に加え、これまで知られていなかったスポットの魅力を再発見する動きが広がっている」と述べ、アゴダとしてシームレスでお得な旅行体験を提供していく方針を示した。アゴダでは世界600万件以上の宿泊施設や13万以上のフライト、30万件以上のアクティビティをワンストップで予約でき、公式サイトやモバイルアプリを通じて利便性の高い旅行体験を提供している。