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観光地の混雑と値上がり、Ponta調査で見えた旅行者の本音

投稿日 : 2025.06.06

調査

インバウンド

(出典:株式会社ロイヤリティ マーケティング)

旅行費の高騰を背景に、観光・宿泊業界の需要構造が大きく変化しつつある。共通ポイントサービス「Ponta(ポンタ)」を運営する株式会社ロイヤリティ マーケティングが実施した「Pontaリサーチ」の調査結果によれば、約8割が旅行費の上昇を実感しており、旅行頻度や費用の使い方にも明確な影響が表れている。宿泊費や交通費の値上がり、インバウンド需要による混雑感など、消費者が直面する旅行環境の実態を明らかにし、今後の旅行動向を探る。

(出典:株式会社ロイヤリティ マーケティング)

特に注目されるのは、インバウンド需要の影響である。訪日外国人観光客の増加により、64.7%が「観光地の混雑」を、55.1%が「宿泊費の高騰」を感じていると回答した。飲食費や交通費も上昇しているとする声も多く、国内旅行であっても「以前より費用がかかる」という認識が広がっている。

旅行頻度の観点では、国内旅行は年1回以上行くと回答した人が55.1%と過半数を占めた。一方で、海外旅行については82.1%が「ほとんど行かない」と回答しており、円安や国際情勢を背景に海外志向が鈍化している様子もうかがえる。

(出典:株式会社ロイヤリティ マーケティング)

こうした背景のもと、約6割の人が旅行にかかる費用において節約を意識しており、具体的な工夫としては「交通手段を安いものにする」(35.5%)、「観光地での支出を減らす」(28.3%)、「宿泊施設のグレードを下げる」(27.2%)といった選択が挙がっている。

宿泊施設の選び方にも変化が見られ、「格安ホテルを選ぶようになった」という人は38.4%にのぼり、これまでの旅行スタイルを見直す動きが広がっていることが伺える。

今回の調査結果から、旅行に対する「価値」と「コスト」のバランスを慎重に見極める消費者が増えていることがわかる。観光事業者にとっても、こうした動向を踏まえた柔軟な価格設定やサービス内容の見直しが、今後の集客力を左右する鍵となるだろう。

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