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観光庁文書「持続可能な観光先進国に向けて」公表

投稿日 : 2019.06.12

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インバウンド

観光庁は一部観光地において、混雑やマナー違反などのオーバーツーリズムが課題となっているとして、昨年6月に「持続可能な観光推進本部」を新設。国内外の先進事例を整理、今後の取組の方向性について検討の上、「持続可能な観光先進国に向けて」と題する文書をまとめ本日6月12日公表した。

訪日客の増加とオーバーツーリズムが一部の観光地で課題に

同文書の中で観光庁は以下のような分析を行った。

主要な観光地を抱える地方自治体は、訪問する旅行者の増加に関連する課題の発生を認識しており、特に近年では「混雑」や「マナー違反」に関する個別課題を強く意識する傾向にある。

地方自治体へのアンケート調査によると、他に個別課題として、「観光客のマイカーや観光バス等による交通渋滞」、「日帰り客等の増加に伴うリーケージ(漏出)」、「宿泊施設の不足」、「トイレの不適切な利用」、「緊急時の安全確保」が上位にあがった。

これに対して、当該地方自治体の多くが「観光関連機関や民間事業者等との連携」、「イベント・ツアー等における地元企業、地元産品等の活用促進」、「広域連携による観光客の分散」、「レンタサイクル」、「オフ期イベント・誘客」などでこれらの課題に対する様々な対応策を講じ始めているという。

他方、全国的な傾向としては、現時点においては、他の主要観光国と比較しても「オーバーツーリズム」が広く発生するには至っていないとした。

今後、京都等の代表的な観光地において、関係地方自治体と協力して、混雑やマナー違反対策等に関するモデル事業等を実施し、観光庁で収集した国内外の先行事例とともに、全国に横展開していくという。

出典:観光庁

同文書ではこのほか、付録「持続可能な観光の推進に向けた先進事例集」において、国内外の先進事例を紹介している。

出典:観光庁

観光庁は、各地方自治体や観光地域づくり法人(DMO)が多面的な現状把握の結果に基づき持続可能な観光地経営を行うよう、国際基準に準拠した「持続可能な観光指標」を開発・普及していくという。

外国人旅行者数について、2020年4,000万人、2030年6,000万人等の目標を着実に達成すると同時に、各地方自治体や観光地域づくり法人(DMO)による適切な観光地経営の導入を通じて、地域社会における経済利益や旅行者・コミュニティ・文化資源・環境に対する利益の最大化、悪影響の最小化などにより「持続可能な観光先進国」を実現していきたい考え。

持続可能な観光の実現については、世界各国の共通の関心事項となってきており、本年10月に北海道倶知安町にて開催されるG20観光大臣会合においても活発な議論がなされることが見込まれている。

出典:観光庁

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