本年4月に高松空港が民営化し、将来の路線拡大に備え、設備の拡充に乗り出す。
それに伴い、新規ホテルも相次いで開業予定となっている。今、香川が注目される理由とは。
2018年4月、高松空港が民営化
三菱地所などが運営権を取得した同空港は4月以降に完全に民営に移行する。格安航空会社(LCC)などの国内線、国際線を誘致し、中国地方や関西圏へも回遊できる玄関口としての機能を高める予定だ。
運営を担う新会社「高松空港」は三菱地所、大成建設、パシフィックコンサルタンツなど4社が設立したものであり、香川県と高松市も出資した。いまの高松空港は1989年、高松市中心部の南16キロの高台に移転して誕生したもの。
香川県などが出資する第三セクターが施設を担い、滑走路を国が管理してきた。
2017年12月には、三菱地所連合がビル施設の運営を開始し、2018年4月から空港全体を一体運営。当初の運営期間は15年間だが、最長55年まで延長が可能である。
路線を大幅拡大
路線数は、現在国際線は以下の4線に限られており、
・ソウル線 エアソウル週5便
・上海線 春秋航空週5便
・台北線 チャイナエアライン週6便
・香港線 香港エクスプレス週4便
となっているが、この既存の4線をデイリー化する。またこれに加えて、新たにタイ、シンガポール、北京の各路線を誘致し7線とすることとしている。
新規ホテルも相次ぎオープン
メトロエンジンリサーチによると、こうした動きを踏まえて、2018年に新たなホテルが高松市内で相次いでオープン予定である。
具体的には、ホテルルートイン高松、JRクレメントイン高松が相次いでオープン予定となっており、いずれも8-9階で200部屋前後を抱える大規模施設だ。
新設ホテルの位置
(左がJRクレメントイン高松、右がホテルルートイン高松)
出典:メトロエンジンリサーチ
上記の地図の通り、いずれも瀬戸内海に隣接した香川県北部の高松市内に位置しており、四国内ではこの二つのホテルのみが新設予定のホテルである。
なぜ香川なのか
香川が注目される理由としては、外国人観光客が激増していることがある。特に2016年には外国人宿泊数が1.7倍で、香川県が全国トップの伸び率となった。
要因としては、第一に、瀬戸内国際映画祭の成功があり、3年に1度開かれる同イベントは外国人観光客に大変な人気となっており、2016年に続き、来年の2019年が開催年となる。
第二に、隣接する関西国際空港からの外国人観光客の流入があり、飽和する大阪での宿泊を避けて、レンタカーなどに乗って香川を訪れる人が増えていること。
そして第三が、上述の高松空港の民間の活力を借りた整備である。
香川が四国・瀬戸内周遊のハブとなることを目指して、新たな展開を見せている。