(出典:株式会社雨風太陽)
株式会社雨風太陽は、株式会社百戦錬磨が行う第三者割当増資を引き受け、同社の株式を取得し、関連会社化した。百戦錬磨は、民泊や農泊、古民家泊など地域に根ざした観光を推進する旅行予約サイト「STAY JAPAN」を運営しており、株式会社雨風太陽はこれにより、生産者と宿泊体験を組み合わせたサービスを提供し、農泊におけるインバウンド需要を取り込むことで地方の活性化と持続可能性の向上を目指している。
新型コロナウイルスの影響により停滞していた訪日外国人旅行者数は、2022年10月以降、水際対策の緩和に伴い急速に回復している。日本政府観光局の発表によれば、2024年には月平均300万人が日本を訪れており、2050年には年間9,000万人の訪日が見込まれている。これを受け、農林水産省は農山漁村滞在型旅行「農泊」の推進に注力しており、令和7年度までに農泊のインバウンド宿泊者数の割合を10%に引き上げる目標を掲げている。
農泊とは、農山漁村に滞在し、地域資源を活用した体験を通じて地域住民との関係を深める旅行形態であり、地域の所得向上と関係人口の創出に貢献するものである。同社は自社で運営する産直EC「ポケットマルシェ」の約8,300名の生産者ネットワークを活用し、地方留学プログラム「ポケマルおやこ地方留学」などを通じて生産者と消費者のつながりを創り、関係人口の創出を推進してきた。また、2024年にはツアーグランプリ2024で国土交通大臣賞を受賞し、地方と都市を結ぶ新しい旅行スタイルの可能性が高まっている。
同社が百戦錬磨の関連会社化に至った背景には、訪日外国人旅行者の需要に応じた地方の観光価値の維持と発展がある。百戦錬磨は、全国1,500件の宿泊施設を「STAY JAPAN」で運営し、農泊を含む様々なユニークな宿泊体験を提供しており、同社のポータルサイト「nohaku.net」には、農林水産省が推進する約760件の宿泊施設が登録されている。これにより、同社は農泊におけるインバウンド需要を一層拡大することが可能となり、地域経済の活性化に寄与する。
(出典:株式会社雨風太陽)
今後、同社は全国約8,300名超の生産者ネットワークと約1,500件の宿泊施設を活用した、生産者のもとでの体験と現地での宿泊を組み合わせたサービスが提供可能となる。訪日外国人旅行客に対して、日本全国の生産現場を旅の目的地としたプログラムを提供することで、日本の地方の魅力を体験する機会を新たに創出していき、2025年には1万人、2030年には5万人の地方への送客を目指す。加えて、「ポケットマルシェ」の企画・開発のノウハウを活用することで、「STAYJAPAN」の機能を拡充し、多言語対応を進めていくことで、より多くの訪日外国人旅行客の需要に対応していく。