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インタセクト、万博レビュー1,000件を分析:分析が示すヒント

投稿日 : 2025.05.12

大阪府

調査

インバウンド

(出典:インタセクト・コミュニケーションズ株式会社)

中国・台湾などの海外プロモーションおよびインバウンド支援を手がけるインタセクト・コミュニケーションズ株式会社は、2025年大阪・関西万博に関連する来場者レビュー1,002件を対象に独自分析を実施した。本調査では、日本語および外国語によるレビューを比較することで、言語別・国籍別に異なる評価軸や関心領域を可視化し、今後のインバウンド戦略への提言を目的としている。

(出典:インタセクト・コミュニケーションズ株式会社)

調査対象は、Googleマップ上に掲載された万博関連施設のレビューで、調査期間は2025年3月1日~4月27日である。日本語によるレビューが多数を占める一方、全体の約25%が英語・繁体字・スペイン語などの外国語による投稿で構成されており、インバウンド視点での体験評価として高い分析価値を持つといえる。

分析によれば、日本語レビューの平均評価点は4.16点で安定的に高い一方、外国語レビューでは平均評価点が若干低くなる傾向が見られた。しかし「5点満点」の割合は外国語レビューの方が高く、体験に対する評価が感情的に極端化する傾向が示唆された。特に繁体字レビューでは、案内表示や言語対応に対する不満が評価低下に影響を与えている可能性が高い。

(出典:インタセクト・コミュニケーションズ株式会社)

また、来場タイミングによって評価傾向も変化しており、特にテストラン期間中のレビューでは、外国語レビューの評価が一時的に3.83点まで急落した。これは期待値と体験とのギャップ、初期段階での運営体制の課題を反映していると考えられる。

施設別分析では、大阪・関西万博会場が最多のレビューを集め、高評価が集中する一方、東ゲートは外国語レビューで最低評価を記録した。「外国語スタッフの不足」や「多言語案内の不備」が指摘され、入口体験の重要性が浮き彫りとなった。一方、「大屋根リング」では、建築デザインの象徴性が評価され、外国語レビューが日本語を上回る唯一の施設となった。

本調査の結果から、視覚的インパクトや文化的文脈を超えた普遍性のある体験設計、言語別に最適化された案内設計、入口体験の徹底した品質向上などが、今後のインバウンド戦略において鍵となることが示唆されている。インタセクトは今後も「生活者の声」に基づく実証調査を通じて、持続可能な受け入れ体制の整備を支援していく方針である。

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