(出典:株式会社BEYOND)
2025年4月13日に開幕した大阪万博は、開催前から注目を集めており、開始後も日本国内だけでなくインバウンド観光客の関心も高いイベントとなっている。こうした状況を受け、訪日インバウンド向けプロモーション事業を展開する株式会社BEYONDは、大阪万博に対するアメリカ市場の関心を把握すべくアンケート調査を実施した。
調査期間は2025年4月5日から4月9日、有効回答数は104人であり、対象国はアメリカおよびフランスで、回答者は18歳以上の男女である。調査はインターネットを通じて行われ、Japan Conciergeが実施した。
(出典:株式会社BEYOND)
今回の調査対象国はアメリカであることから、回答者のうち94.2%がアメリカ在住者となった。年齢層は20代から70代まで幅広く、特に30代から60代の層からの回答が多かった。
(出典:株式会社BEYOND)
調査結果によると、大阪万博に「行ってみたい」と回答した人は全体の79.8%に上った。一方「行きたくない」と答えた人は6.7%にとどまり、行きたい人の割合が圧倒的に高い結果となった。
(出典:株式会社BEYOND)
行きたいと回答した人の理由で最も多かったのは「万博自体に興味がある」というものであり、次いで「テーマに興味がある」「特別なイベントを楽しみたい」といった回答が続いた。また「日本のイベントはレベルが高い」という声も多く、日本開催の国際的イベントに対する期待感がうかがえる。
(出典:株式会社BEYOND)
一方で、「行きたくない」とする回答の中では「交通費やチケット代などのコスト面」が最も多く、60%を超えた。続いて「混みそう」「情報が少ない」といった不安も挙がっており、英語での情報提供がより求められている状況が明らかになった。
(出典:株式会社BEYOND)
また、日本を訪れる時期として最も多かった回答が2025年4月頃であった。これは桜の開花時期と重なるため、自然観光との相乗効果が期待される。一方で、夏の暑い時期には訪日意欲が落ち込む傾向にあるが、秋以降の訪日希望は高く、季節による需要の差異も示された。
(出典:株式会社BEYOND)
「興味あること」への自由回答からは、日本の伝統文化への関心が特に高いことが明らかとなった。中でも「京都のカフェ巡り」「奈良のお寺」「大阪の幽霊ツアー」など、関西地方の文化体験に対する具体的な関心が見て取れた。寺社や歴史的建造物の訪問に加えて、地域独自の体験コンテンツに対する期待も大きい。また「グルメツアー」「食べ歩き」といった回答も多く、日本の食文化に対する関心が根強いことも確認された。
特に注目された回答の一つが「大阪の幽霊ツアー」である。欧米では幽霊にまつわる話を楽しみながら歴史的な場所や心霊スポットを巡るツアーが人気であり、ホラーや冒険を好む層にとって魅力的な観光体験となっている。こうしたナイトコンテンツの充実が、今後大阪万博を訪れる外国人観光客をさらに引き付ける要素となる可能性がある。
今回の調査を通じて、アメリカを中心とした外国人の大阪万博に対する関心の高さが明らかになった一方で、外国人向け情報の不足が不安や来訪をためらう要因となっていることも浮き彫りとなった。急増するインバウンド需要に対応するためにも、万博をきっかけとした情報発信を強化し、日本各地への関心を広げることで、日本全体の観光促進につなげていくことが求められる。