京王グループの株式会社京王プレリアホテル京都は、バリューコマース株式会社と連携し、2025年4月18日より「Web3レジカード」を活用した実証実験を開始した。この取り組みは、次世代インターネット技術を活用し、宿泊時のチェックイン手続きを簡素化することで、旅行者と宿泊施設双方にとって利便性の高い滞在環境の構築を目指すものである。
近年、訪日外国人旅行者数は増加を続け、2025年1月には前年同月比40.6%増の378万人を超え過去最高を記録した。インバウンドの旅行スタイルとして複数の宿泊施設を巡る長期滞在が一般化する中、旅行者はチェックインのたびにレジストレーションカードへの記入やパスポート提示、本人確認を求められ、宿泊施設においてもフロント対応の負担が課題となっている。(出典:京王電鉄株式会社)
「Web3レジカード」は、宿泊者が一度ユーザー登録を行うと、同サービスを導入する施設であればレジカードの再記入が不要となる仕組みである。これにより宿泊者はチェックイン時の手続きを簡素化でき、宿泊施設側は接客に集中できる環境を整えることが可能となる。京王プレリアホテル京都は、ホテルスタッフによる丁寧なサービスとデジタル技術を活用したスムーズな対応を両立させることで、顧客満足度の向上を目指している。
「Web3レジカード」は、バリューコマース株式会社が開発中のサービスであり、宿泊者はホテル予約後、同カードの登録案内を受け取る。このカードは、次世代型インターネットであるWeb3の技術とレジカードの機能を組み合わせたもので、利用者自身がデータの管理主体となる構造を持つ。登録時にはスマートフォンを用いてパスポート情報や顔写真などを事前登録し、チェックイン時には必要な情報のみを施設に提供することで、予約確認や個人情報取得が可能となる。加えて、英語、中国語(簡体字)、中国語(繁体字)、韓国語といった多言語対応機能が備えられているため、外国人宿泊者は円滑なチェックイン体験を提供できる。
本サービスは、「Login3.0」というユーザー自身が個人情報の管理や提供先のコントロールを行える技術を基盤としており、旅行先で連携する外部サービスがある場合も、ユーザーは選択した情報のみを提供できる。その結果、旅全体を通じて入力作業の削減や利便性の向上が見込まれ、情報の提供先をユーザーが把握・管理できるため、安心して利用できる点が特徴である。なお、京都市での実証実験においては、改正旅館業適正化条例に基づき、チェックイン時にはフロントでの対面による本人確認と施設側の承認が必要となる。今回の実証実験は、Booking.comを利用する宿泊者と、ExpediaおよびTrip.comの一部利用者が対象となる。
(出典:京王電鉄株式会社)
実証実験を行う京王プレリアホテル京都烏丸五条は、京都市下京区に位置し、地下鉄烏丸線「五条駅」から徒歩4分、「四条駅」から徒歩5分、阪急京都線「烏丸駅」から徒歩7分の立地にある。2018年11月27日に開業し、全287室の客室を備えており、1階には大浴場が設置され、女性用大浴場にはパウダールーム付きの湯上りラウンジも併設している。また、館内のレストラン「IKARIYA365」は京都で人気のイタリアンレストランであり、朝食はビュッフェ形式で提供され、ピザ窯を備えたランチ・ディナー営業も行っている。中庭には京都の地形を模した石庭(枯山水)が設けられ、雲海に浮かぶ京の山々を表現した造形が特徴となっている。
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