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中国人の海外旅行先、最も訪問が多いのは「アジア州」、旅行回数は平均4.2回

投稿日 : 2025.06.23

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調査

インバウンド

(出典:株式会社アスマーク

マーケティングリサーチ会社の株式会社アスマークは、中国在住の20代から50代の男女を対象に「中国から見た『海外旅行先』で人気のエリアに関する調査」を実施し、その結果を2025年6月6日に公表した。調査期間は2025年3月24日から4月4日までである。

調査の背景には、コロナ禍以降の旅行動向の変化がある。日本人による海外旅行は、円安の影響を受け慎重な傾向が見られるものの、回復の兆しが出始めている。一方、訪日外国人旅行者は円安を追い風に増加傾向にあり、2024年の1月から10月の累計では過去最速で3,000万人に到達したとされる。このような流れの中で、中国からの訪日観光客は減少しており、2019年に約890万人だった訪日中国人観光客は、2024年には約640万人にまで落ち込んでいる。

こうした動向を踏まえ、株式会社アスマークはアメリカ、中国、韓国を対象に、海外旅行先として人気のエリアに関するアンケート調査を実施した。調査では、海外旅行の実態、直近の渡航先、旅行先の選定基準、旅行前後の印象などについて回答を得ている。今回公表されたのは中国に関する調査結果である。

(出典:株式会社アスマーク

2年以内の海外旅行の回数について尋ねると、約9割が複数回の旅行を行っていた。最も多かったのは「2~3回」であり、全体の平均旅行回数は4.2回であった。年代別に見ると、男女ともに50代の旅行回数が多く、また月収別では「75,000元以上」の層が特に多い旅行回数を示した。これは「12,499元以下」の層と比較して倍近い数値であり、月収が一定の水準を超えると、海外旅行はより身近で現実的な選択肢となると推察される。

(出典:株式会社アスマーク

2年以内の海外旅行における同行者に関しては、「家族」との旅行が7割を超え、最も多かった。次いで「自分一人」「友人」と続いた。「75,000元以上」の高所得層では、同行者の種類が多様であり、これは旅行回数の多さと関連していると考えられる。

(出典:株式会社アスマーク

2年以内に海外で訪問した地域については、「アジア州」が全体の約7割を占めており、最も人気のあるエリアであった。次いで「ヨーロッパ州」「アメリカ州」が続いた。「アジア州」の人気は、月収を見ると30,000元を境にしてスコアが分かれており、特に30,000元未満の層で高くなっている傾向がある。性年代別では、男性50代が「アメリカ州」「アフリカ州」「オセアニア州」「極地方」などのスコアが他の年代に比べて高く、より多様な旅行先を選んでいることが明らかとなった。

(出典:株式会社アスマーク

直近で訪れた国の旅行前の印象としては、「景色が美しい」「リラックスできる」「伝統文化が豊か」「開放的で自由」といった項目が高く評価されており、静かな時間を求めていることがうかがえる。一方で、「食事が安価」「ブランド品が安価」といった価格に関連する項目は低評価であり、安価な消費を主目的とする層は比較的少数であることが示された。(出典:株式会社アスマーク

旅行後の印象においても、「景色が美しい」「開放的で自由」「伝統文化が豊か」「リラックスできる」といった項目が高評価を維持しており、おおむね訪問前の期待に沿った体験が得られたと考えられる。

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