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苫小牧市のホテル宿泊事情〜北海道のホテル事情④

投稿日 : 2018.11.20

北海道

ホテル統計データ

北海道の命名から150年目となる2018年。節目を迎えた北海道における、地域・都市ごとのホテル事情に迫ってゆきたい。連載第4回は胆振地方東部の苫小牧市のホテル宿泊事情について、観光宿泊需要と宿泊施設供給の観点から分析レポートする。

苫小牧市
苫小牧市は北海道胆振総合振興局の所在地である室蘭市の倍の人口で約17万2千人、道内4番目の人口規模の都市である。勇払平野の中央に市街地が広がり、札幌都市圏に最も近い太平洋岸の港である苫小牧港や、新千歳空港にも近接する交通の利便性より、北海道を代表する港湾都市・工業都市として発展した。

苫小牧市は、札幌の南約50kmに位置します。

出典:苫小牧市

観光需要は10年で1.4倍に増加
苫小牧市の観光入込客数の推移を示したのが以下の表である。

出典:北海道

苫小牧市の観光客数は2008年度の約140万人より順調に増加し、2012年度以降よりいったん横ばいの傾向が見られたものの、2017年度は約200万人と10年で4割増加している。苫小牧市では観光入込客数を2022年度までに260万人とする事を目標としている。

宿泊延数も増加、訪日客比率は大幅に上昇
観光入込客数の増加にあわせ、苫小牧市の宿泊延数も順調に増加し、訪日客比率は大幅に上昇している。以下の表は苫小牧市の延べ宿泊数の推移である。

出典:北海道

苫小牧市の延べ宿泊数は2008年度の約12.5万泊より、2017年度には約16.9万泊、10年で1.35倍である。東日本大震災の影響が見られる2011年を底に増加に転じ、2015年には約20.8万泊に達している。

訪日客は2008年度の約1.1万泊から2017年度は約4万泊とほぼ4倍に、構成比は9.2%から23.8%へ大幅に上昇している。新千歳空港に近い立地が十分に活かされているのではないかと考えられる。

訪日客比率は順調に増加しているものの、延べ宿泊数全体では直近2年で約17万泊で推移し、ピークの2015年度より約2割減少している。国内客の宿泊の減少による影響は大きい。

宿泊供給は10年でほぼ変わらず
メトロエンジンリサーチによると、帯広市内には2018年11月時点で24の宿泊施設が展開しており、部屋数にして1,755室が提供されている。2008年7月時点の23施設1,694室と比較すると、部屋数で1.04倍の供給増と、ほぼ変わらずである。

苫小牧市全体の宿泊需要が10年で1.35倍になっていることから、市内の宿泊施設は好調な業績が続いていると考えられる。

苫小牧市で計画中の大規模滞在型リゾート開発

森トラスト系の投資会社であるMAプラットフォームは、2016年3月に苫小牧市北部(道央道苫小牧東I.C.付近)に1,000ha以上の土地を取得した。

当初は2020年に部分開業、2026年に開業予定で、ホテル330室、コテージ40棟に加え、商業施設や医療施設なども併設される大規模滞在型リゾートの開発を計画していた。2016年12月にIR推進法が成立し、隣接地がIR候補地となった事により、同社はIR誘致の動向を見極めながら、長期的視点でリゾート計画を見直しする事となった。

この大規模リゾート計画の動向により、今後の苫小牧市の宿泊事情は大きく影響される事が予想される。

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