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日本一のホテル稼働率87%を記録する大阪府、中央区がホテル密集度で日本一

投稿日 : 2017.11.13

大阪府

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国土交通省が発表した宿泊旅行統計調査(平成29年8月・第2次速報、9月・第1次速報)で東京を抜いて日本一の稼働率を記録した大阪府。

ホテル市場調査ツールのメトロエンジンリサーチによると、1平方kmあたり客室数が集中する市区町村が大阪市中央区であることが明らかになった。稼働率そして密集度で日本一を記録する「大阪」の魅力に迫る。

 

大阪府の宿泊施設は大阪市内に局所集中

表1は、大阪府の市区町村の宿泊施設数をまとめたものだが、これを見ると一目瞭然のように宿泊施設が大阪市内に集中していることが分かる。トップ10のうち8つまでを大阪市内が占めている。トップ20に広げてみても20のうちの14が大阪市の行政区である。

表1で大阪市以外に上位にランクインしているエリアには、それぞれに異なる要因が考えられる。泉佐野市は大阪市から約50kmほど離れているが、関西エリアの玄関口・関西国際空港を有している市であることから宿泊施設数が多い。また堺市堺区は、大阪府内で大阪市に次ぐ規模を誇り、政令指定都市である堺市の中心エリアというのが大きな理由だろう。

特徴的なのは吹田市で、大阪市の中心エリアから10㎞程度しか離れておらず、人口も約37万人と取り立てて大規模な都市というわけではないのにもかかわらず14位にランクインしている。

吹田市はサッカーJリーグ・ガンバ大阪が長い間、ホームスタジアムとして使用していた万博記念競技場がある。ガンバ大阪のホームグラウンドは新スタジアムに移行されたが、その新スタジアムも吹田市内に建設されたことも影響しているようだ。

出典:メトロエンジンリサーチ

 

宿泊施設数、客室数ともにトップは大阪市中央区

表1~表2で示した大阪府内の宿泊施設数、客室数のデータによると、大阪市内の各区が上位に位置しているが中でも中央区の数字が際立つ。

例えば、大阪市中央区の宿泊施設数は251軒だが、2位の大阪市浪速区は133軒だ。また、大阪市中央区の客室数は2万3,949部屋を数えるが、2位の大阪市北区は1万5,767部屋と大阪市中央区に8,000部屋あまりの差をつけられている。

大阪市北区の1万5,767部屋は全国的に見てもトップクラスの数字なだけに、大阪市中央区にどれほどまでに宿泊施設数が密集しているかがお分かりいただけたのではないだろうか。

 

大阪が栄える理由は歴史にあり?

大阪は5世紀から日本の経済そして政治の中心地として栄えてきた歴史を持つ。交通量の多い瀬戸内海と、内陸から大阪湾に流れる川が合流する場所にある大阪は、古来からあらゆる場所から人が集まる場所となっていた。

古くはアジア諸国の玄関口となっていた大阪市中央区内には大阪城があるほか、船場、谷町、道修町など歴史ある町を抱え、それぞれが独特の文化を発信。現在では、文化のみならず経済の中心としても知られている。

住友生命保険、武田薬品工業、NTT西日本、竹中工務店といった日本を代表するような大企業が本社を置くことに加えて「なんばグランド花月」といった観光資源が多数あることも見逃せないポイントだ。

 

大阪市は宿泊客の収容能力が非常に高い都市

大阪市は全国的に見ても、客室数、1平方kmあたりの客室数が非常に多く、宿泊客を収容する能力が極めて高い都市である。

表3・4は、全国の市町村を対象に客室数、1平方kmあたりの客室数を調査した結果だが、中央区をはじめとした大阪市の各区は軒並みトップクラスの数字である。客室数のトップ10に限ってみても大阪市では中央区が2位、北区が6位にランクインしている。ちなみに、このランキングでトップ10位内に複数の市区町村が入っている都道府県は東京と大阪のみである。

また、1平方kmあたりの客室数は大阪市中央区が頭一つ抜けてトップであるほか、北区が7位、浪速区が8位にランクインしている。つまり、大阪市は日本でも屈指のホテル激戦エリアというわけである。これほど激戦エリアなのには、それだけ高い宿泊需要がある。

大阪市全体のホテル稼働率は84.8%(2015年)を記録しているが、これは全国の自治体の中でもトップの数字だ。一般的にホテル稼働率が80%を超えると宿泊予約が取りづらいとされている。つまり、大阪市は日本で有数の客室数がありながら、それでもなお宿泊需要に対応しきれていないというのが実状なのである。

こうした状況を受けて、大阪府、とりわけ大阪市を中心に現在、熾烈なホテル開発競争が繰り広げられている。2017年は、9月末までの段階で大阪府では50を超える新規ホテル計画が発表されている。

これまででさえ厳しい生き残り競争があったが、これからさらにその競争は激化していくものと考えられる。各ホテルとも、より魅力的なプランや観光客に訴えかけるパッケージを用意していく必要に迫られるだろう。

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