帝国データバンクは2021年9月9日16時時点の新型コロナウイルスの影響を受けた倒産が全国で2,025件確認されていると発表した。そのうち「ホテル・旅館」は109件となっている。
2021年の累計は1,180件
倒産の内訳は法的整理が1,876件、事業停止が149件確認されている。1億円未満の小規模倒産が1,173件(構成比57.9％)を占める一方、負債額100億円以上の大型倒産は5件(同0.2％)にとどまっている。
発生月別では「2021年3月」「2021年7月」が175件で最多。2020年11月以降の感染第3波や年末年始の需要消失、年明けの緊急事態宣言の再発出の影響により2020年12月以降の倒産件数増加が顕著となるなか、年度末となる3月以降に倒産処理される事業者が急増した。
現時点で8月発生の倒産は123件、9月発生の倒産は20件確認されているが、3度目、4度目の緊急事態宣言の影響で、今後も増加し続ける見込みとなっている。
業種別では「ホテル・旅館」が106件。最も多い業種は「飲食店」の341件で、「建設・工事業」204件、「ホテル・旅館」109件、「食品卸」105件と続いている。「建設・工事業」は飲食店・小売店の休業や倒産増の影響を大きく受けてきた他、近時はウッドショックによる資材の高騰・調達難の影響が出始めているとのこと。
都道府県別では「東京都」の448件が最多。以下「大阪府」221件、「神奈川県」113件、「兵庫県」91件と続いている。
2021年の累計は1,180件となった。
現在、新型コロナウイルス感染症対策として、緊急事態宣言が東京都や沖縄県をはじめ、19都府県に発令。緊急事態宣言の期限を9月30日まで延長するなど、人流を抑制する措置が取られている。観光・宿泊業では各地域で独自の観光事業支援も行っていたが、感染状況悪化により一時停止が相次いでおり、苦しい状況が続いている。行政による迅速なサポートが望まれる。
■新型コロナウイルス関連倒産について
帝国データバンクによる「新型コロナウイルス関連倒産」とは、原則として新型コロナウイルスが倒産の要因(主因または一要因)となったことを当事者または代理人(弁護士)が認め、法的整理または事業停止(弁護士に事後処理を一任)となったケースを対象としている。個人事業主および負債 1000 万円未満の倒産も カウントの対象としているほか、事業停止後に法的整理に移行した場合、法的整理日を発生日としてカウントしている。