帝国データバンクは2021年7月9日16時時点の新型コロナウイルスの影響を受けた倒産が全国で1,744件確認されていると発表した。そのうち「ホテル・旅館」は97件となっている。
2021年の関連倒産は895件
倒産の内訳は法的整理が1,594件(破産1,516件、会社更生法1件、民事再生法64件、特別清算13件)、事業停止が150件。1億円未満の小規模倒産が991件(構成比56.8)を占める一方、負債額100億円以上の大型倒産は5件(同0.3%)にとどまっている。
発生月別では2021年3月が180件で最多。2020年11月以降の感染第3波や年明けの緊急事態宣言の再発出の影響により2020年12月以降の倒産件数増加が顕著となるなか、年度末となる3月以降に倒産処理される事業者が急増した。7月は9日16時時点で14件確認しているが、3度目の緊急事態宣言の影響で、今後も増加し続ける見込みとなっている。
業種別では「ホテル・旅館」が97件。最も多い業種は「飲食店」の294件で、「建設・工事業」174件、「ホテル・旅館」97件、「食品卸」91件と続いている。「建設・工事業」は飲食店・小売店の休業や倒産増の影響を大きく受けてきた他、近時はウッドショックによる資材の高騰・調達難の影響が出始めているとのこと。
都道府県別では「東京都」の399件が最多。以下「大阪府」187件、「神奈川県」101件、「愛知県」「兵庫県」各75件と続いている。
新型コロナウイルス感染症対策として、緊急事態宣言が東京都と沖縄県に、まん延防止等重点措置が埼玉県、千葉県、神奈川県、大阪府に発令されるなど、人流を抑制する措置が取られている。観光・宿泊業では各地域で独自の観光事業支援も行っているが、苦しい状況だ。行政による迅速なサポートが望まれる。
■新型コロナウイルス関連倒産について
帝国データバンクによる「新型コロナウイルス関連倒産」とは、原則として新型コロナウイルスが倒産の要因(主因または一要因)となったことを当事者または代理人(弁護士)が認め、法的整理または事業停止(弁護士に事後処理を一任)となったケースを対象としている。個人事業主および負債 1000 万円未満の倒産も カウントの対象としているほか、事業停止後に法的整理に移行した場合、法的整理日を発生日としてカウントしている。