アパホテルは、4月11日、大阪市内で11軒目、新大阪エリアに初出店となるアパホテル〈新大阪駅南〉を開業した。新規出店が相次ぐ、新大阪エリアのトレンドを追った。
アパホテルが新大阪エリアを重点攻め
全国に447のホテルを展開するアパホテルが、新たなホテルを新大阪に4月11日オープンした。新大阪駅から徒歩で6分の好立地で、10階建、109室。
同ホテルに加えて、アパホテルは、2020年春には、656室を有する超大型ホテル、アパホテル〈新大阪駅前〉の開業を予定しており、新大阪エリアを重点地域として位置付けている。
アパホテル〈新大阪駅前〉の656室は、新大阪駅が立地する淀川区内において現在最大のホテルプラザオーサカの653部屋を上回り最大規模の出店となる。
ビジネスホテルがトップ、カプセルホテル・ゲストハウスも
メトロエンジンリサーチによると、新大阪駅が立地する淀川区には現在63軒の宿泊施設があり、8,086部屋が存在する。
淀川区宿泊施設カテゴリー別割合
出典:メトロエンジンリサーチ
上記のグラフの通り、淀川区にはビジネスホテル26軒、簡易宿所等25軒、シティホテル12軒が展開している。簡易宿所等には、カプセルホテル、ゲストハウス、ラブホテルなどが含まれており、外国人観光客も多く利用するのが一つの特徴である。また、ビジネスホテルは新幹線を利用したビジネス客が多く新大阪駅周辺のホテルを利用しているためである。
アパホテルと競合する最大手ホテルチェーンの東横インは淀川区に3軒の出店を既にしており、東横イン大阪阪急十三駅西口(275部屋)、東横イン新大阪東三国駅前(245部屋)、東横イン新大阪中央口本館(202部屋)で、合わせて722部屋は、淀川区の全宿泊施設の約9%もの部屋数を占める。
他方で、アパホテルが上記の通り2020年春までに2軒のホテルを淀川区にオープンすると合わせて765部屋となり、この東横イン3軒の部屋数を上回ることになる。
相次ぐ新規ホテルの開業と稼働
メトロエンジンリサーチによると、2020年にかけて、上記のアパホテルの他にも、新大阪カプセルホテルプロジェクト(2018年12月竣工予定)や(仮称)SGリアルティ新大阪ホテル計画(2019年末竣工予定)などの宿泊施設が新大阪駅周辺や淀川沿いに、多種多様に11軒も新規オープン予定であり、現在の63軒から2年後には75軒へと淀川区の宿泊施設は急増する見込みとなっている。
また、メトロエンジンリサーチによると、5月のゴールデンウイークに向けて、淀川区においては、シングルルームの在庫が目立っている。平日にはシングルーム利用のビジネス客が多いが、大規模連休においては家族連れや友人同士の旅行が増え、シングルームの利用が減少することが原因と思われる。こうした利用者の傾向と特徴に着目した設計計画と部屋割りが今後の宿泊施設の稼働に影響を与えるポイントになりそうだ。