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2017年好調のヒルトングループ、今年も海外進出と新ブランド展開で攻めの姿勢

投稿日 : 2018.02.22

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2017年、ヒルトングループは好調、販売可能な1客室あたりの売上(RevPAR)は2.5%成長、グローバル経営も波に乗っている。CEOのChris Nassetta氏は、2018年もこの傾向を維持できると読んでいると、Hotel News Nowが伝えた。

2017年好調だったヒルトン

出典:Hilton公式ホームページ

2017年を振り返ると、昨年第4四半期のRevPARは3.8%増、1年間全体でも2.5%の成長を達成したヒルトン。Nassetta 氏はこの好調の要因が、強固なグループ体制と、ホリデー需要や暴風関連ビジネスによるプラス効果を含むコーポレート向けビジネスにあるとみる。さらに、2018年も前年同様の業績を見込んでおり、RevPARは1~3%の増加を予想。その「中間地点か、上限」に達することをNassetta 氏は期待している。

アジアや中東など海外での市場拡大も重視
グループは国際市場での成長も重視。2018年のホテル建設の4割(900ホテル18万客室)は米国外となる。「積極的に新しい市場拡大や新ブランドの導入に取り組んでいる。パイプラインの多角化は世界における開発サイクルの影響緩和に役立つ」とNassetta氏は語る。
第4四半期のRevPAR成長率を見ると、9%の伸びを示した中国にけん引されたアジア・太平洋は7.6%、中東・アフリカ6.1%、ヨーロッパ3.9%。1年間全体では、アジア・太平洋は7.3%、ヨーロッパ6.6%、アメリカ大陸(米国を除く)5.3%、中東・アフリカ3.6%、米国1.5%だった。

1日に1ホテル以上のホテルをオープン

出典:Hilton公式ホームページ

Nassetta 氏はヒルトングループホテル数の増加とパイプラインを2017年のハイライトと指摘。グループは2016年の6.5%増となる5万1,600客室を2017年に増床しており、「1日に1ホテル以上をオープンした」という。昨年末の時点で、グループは全世界に5,284ホテル、85万6,115客室を有する。また、ヒルトンの開発パイプラインは、107(うち39は初進出)の国や地域に約34万5,000客室、2,257ホテルするなど、2016年末から11%もの成長率を見せた。これらホテルの半数以上は米国外で、17万4,000室以上を現在建設中とのことである。

税制改革がコーポレート向けビジネスなどに追い風
「レジャー滞在はかなり好調で、ビジネス滞在は弱め。グループ事業が比較的弱い中にあって、好調な世界市場の助けもあり、去年は2.5%のRevPAR成長を果たした」というヒルトンだが、「2018年、世界市場は好調を維持し、レジャー滞在も良さそう。ビジネス滞在は上下変動があるだろうが、我々の予想通りに経済状況が進行すれば、去年よりもいい結果をもたらすだろう」とNassetta氏。さらに、トランプ大統領による税制改革も旅行業界には追い風で、「GDP成長につながり、停滞気味だった前年以上のコーポレート向けビジネスの成長をもたらす」と見ている。

ブランド、ロイヤルティプログラムの新展開も
一方、ヒルトンの新ブランド「Tru by Hilton」の役割も大きい。2017年には9ホテル、911客室をオープンしたが、今年は40~50件をオープン、2019年にはその2倍を予定。国外初の「Tru」開業はカナダになる見込みだ。さらに、贅沢な空間を提供する新たなブランドの発表も見込まれている。

また、ロイヤルティプログラム「ヒルトンオナーズ」会員は2017年に前年比20%増の1,100万人以上が会員になった。「2018年には、特にエリート会員向けの新特典をスタートする」という。Nassetta氏はロイヤルティプログラムの拡大は単なるマーケティングではなく「より複雑で総体的なアプローチ。サービスや新技術の提供は顧客と深く、常習的に関わりを持てる手段。ロイヤルティプログラムに一度参加した人々の大半は直に予約するようになる」といい、ホテルに直に予約をする利用者の95%はヒルトンオナーズの会員になっているという。

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