加藤勝信官房長官は9日の記者会見で、北海道が新型コロナウイルス感染症対策分科会の感染状況を示す4段階の基準で「急増」のステージ3相当と判断された場合、観光支援事業「Go To トラベル」の除外を検討する考えを明らかにした。
9日には200人の新規感染者数を記録
北海道で新型コロナウイルスの感染者数が大きく増えており、11月5日から5日連続で新規感染者が100人を超えた。9日には200人と過去最多の新規感染者を記録し、このうち札幌市も過去最多の158人に上った。鈴木直道北海道知事は警戒ステージ3※への引き上げを決定。11月27日まで、ススキノ地区の接待を伴う飲食店等での深夜の営業自粛を求めている。
※北海道の警戒ステージ3は国基準のステージ2相当
現在、北海道の確保病床における病床使用率は約20%となっており、直ちに逼迫する状況ではなく、さらなる病床の確保に動くとのこと。政府としては北海道庁からの要請を受け、厚労省のクラスター対策班や厚労省職員、学会に所属する公衆衛生の専門家の現地派遣などを行っている。
Go To トラベル事業における対応は、新型コロナウイルス感染症分科会より「ある都道府県がステージ3相当と判断された場合には、当該事業に係る感染リスクを総合的に考慮して、当該都道府県を除外することも検討していただきたい」との提言がある。官房長官は政府もこの提言に沿った対応をすると語った。
ステージ3は「感染者の急増及び医療提供体制における大きな支障の発生を避けるための対応が必要な段階」とされており、医療提供体制等の負荷(病床の逼迫具合、療養者数)、監視体制(PCR陽性率)、感染の状況(新規報告数、直近一週間と先週一週間の比較、感染経路不明割合)から判断される。
仮に北海道がGo To トラベル除外になった場合、予約済みの北海道旅行に対して「キャンセルする場合のキャンセル料の取り扱い」など、除外後の取り扱い・対応が注目される。7月にGo To トラベルから東京を除外した際のキャンセル料は国の負担となった。除外になった場合どのような対応になるか、旅行事業者・旅行者に早めに示さないと混乱は必至だ。