新型コロナウイルス感染拡大に伴い、全国で停止中の観光支援事業「Go To トラベル」に、1人1泊2万円の補助上限を減額する案が浮上しているとのこと。
早ければ今月内にも分科会で議論の見通し
同事業は旅行代金の50%相当(旅行代金35%相当の割引+15%分の地域共通クーポンを配布)の支援を行う事業で、1人1泊あたり2万円が補助上限だ。2020年度第3次補正予算では事業費約1兆円が盛り込まれている。
同事業は昨年末に全国で一時停止して以降、現在も停止が続いている状態だ。しかし緊急事態宣言再発令後、感染拡大に一定の歯止めがかかりつつあるとみられており、政府は事業再開が可能かどうか、早ければ今月内にも新型コロナウイルス感染対策分科会で議論する見通しとのこと。
同事業の再開については1月に西村康稔経済再生担当大臣が各都道府県の感染状況が「ステージ2」までに抑えられていることを挙げており、緊急事態宣言終了後すぐに同事業が再開されるとは考えにくい。政府内では事業再開の場合、当初は県内発着などの地域限定案が浮上しているとのこと。
現行2万円の補助上限額については、利用者が殺到して感染リスクが高まる懸念があること、高級宿泊施設に利用が偏っているという指摘があることから減額も検討されているようだ。具体的には上限を1万円に見直し、さらに段階的に引き下げる案。上限を5,000円に大きく減額し、事業期間を3次補正で想定した6月末までから延長し、秋から年末まで延長する案などが出ているとのこと。
同事業をめぐっては、苦しい地域経済の活性化を見込んで早期再開を求める声がある一方、感染再拡大への懸念から慎重な対応を求める声もある。政府がどのような形で事業を再開していくか、注目が集まる。