「GoToトラベル」の割り引きを利用した人で、新型コロナウイルスに感染したと宿泊施設などに連絡があった人の数は76人にのぼることが観光庁のまとめで明らかになった。
観光庁は「GoToトラベル」に参加している旅行会社や宿泊施設に対し、利用者や保健所などから新型コロナウイルスに感染したと連絡があった場合に報告を求めているが、2020年7月から10月29日までに76人から報告があったという。
76人の多くは感染経路不明だが、旅行で感染した可能性も否定できないとしている。また、10月中旬に関西を出発して北海道を周遊したツアー旅行では、参加者と乗務員合わせて14人の感染が確認されている。感染の判明した参加者1人が体調不良を書面で申告していたのを添乗員が見落としていたことで、旅行中にクラスター(感染者集団)が発生した。
観光庁のまとめによると、「GoToトラベル」の事業開始の7月から9月末までに割り引きを利用した人は少なくとも延べ2,518万人で、このうち感染の報告があった人数は9月29日までに16人だった。その後少なくとも延べ3,138万人が利用し、10月29日までにさらに60人の報告があり合わせて76人になった。
観光庁は、感染経路は特定できないものの旅行で感染した可能性もあるとして、事業者に対して随時参加者の体調を確認するなど、引き続き対策の徹底を指示。また旅行者にも、マスクの着用や検温などで体調を確認し、感染拡大を防ぐよう求めている。