楽天トラベルやじゃらんなどの大手旅行予約サイトで、「Go To トラベルキャンペーン」の割引制限が相次いで発生している。10月10日時点での各サイトの動向をまとめた。
10月より東京都が対象に追加され、同時に地域共通クーポン制度も始まり、ついに全国的に本格始動となった「GoToトラベルキャンペーン」。
しかし、ここ数日の間に予約サイトで割引クーポンの縮小や終了が発生している。
楽天トラベルは1会員のクーポン利用上限枚数を1枚にしぼった。じゃらん、Yahoo!トラベル、一休.comは、割引上限額を1人1泊当たり最大3,500円に引き下げている。JR東海ツアーズの一部地域、dトラベルは割引販売を一時終了すると発表した。
これらの変更はいずれも10月9日から10日にかけて一斉に行われ、利用者の間では突然の発表にとまどいの声があがっている。
なぜこのような事態に至ったのか。政府が発表した「GoToトラベル」事業の予算は1.1兆円。7月から9月の運用では735億円が割引支援額として使われた。地域共通クーポンが始まっていないことや東京が除外されていたことを加味しても、想定していた実績の20%にも満たない。
予算はまだ使いきれていない状況であり、赤羽国土交通大臣は先日の会見で「来年の1月31日終了はあくまで目安」と発言して期間延長の可能性を示唆した。
にも関わらず、今回大手予約サイトで一斉に割引販売が制限されたのは、旅行代理店に出向くよりも、ネット上で宿泊予約をする人が急増したことが大きな要因として考えられる。
10月の東京追加を前後して、マスメディアはこぞって「GoTo」を利用する観光客の様子を喧伝した。SNSでも「GoTo」についてのお得な情報が多くの人に共有され注目されている。このような状況にコロナによる外出自粛の風潮が加わり、気軽にネットで予約を済ませようと考えた人が多くいた。結果、大手予約サイトの「GoTo」対象プランに人気が集中し、政府が支給していた上限に達したために制限せざるを得なくなったと考えられる。
今後、政府から各予約サイトに新たに予算が配分されれば、割引販売は再開されるだろう。