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Go Toトラベルを迎えるに当たり、備えておきたい宿泊施設の感染症対策【前編】

投稿日 : 2020.09.18

指定なし

Go To トラベル

新型コロナウイルス感染拡大を受け、宿泊施設では宿泊客の安心・安全のため、さまざまな対策を求められている。

8月の大手旅行サイト予約が32都道府県で増」という記事にもある通り、GoToトラベルに一定の効果が見られる中、今後の需要を伸ばすためにも宿泊施設で新型コロナウイルス感染者を出すのは防ぎたいところ。

Go Toトラベル事業での「地域共通クーポン開始」や「東京追加」による需要拡大に向けて、宿泊施設は求められる感染症対策を確認しておきたい。

【再確認】GoToトラベル感染症拡大防止に当たっての参加条件

GoToトラベル事務局はGoToトラベル事業に参加を希望する旅行事業者・宿泊事業者に以下の「参加条件」を設けている。

●チェックインの際に、直接の対面を避けるなどの感染予防策を講じた上で旅行者全員に検温と本人確認を実施。
●浴場や飲食施設などの共用施設の利用は3密対策を徹底する。(人数制限や時間制限など)
●ビュッフェ方式において食事の個別提供やトングや箸などの共用を避けるなど、料理の提供方法を工夫し、また座席の間隔を離すなど、食事の際の3密対策を徹底する。
●客室・エレベーターなどの共用スペースなどの消毒・換気を徹底する
●「参加条件」を徹底・実施している旨を対外的に公表する。(ホームページやフロントでの掲示など)
●旅行商品の予約・購入時や宿泊施設でのチェックインの際に、旅行者が遵守すべき以下の事項を周知する。

上記のように宿泊事業者はGoToトラベル事業に参加するため、多岐にわたる感染拡大防止策を求められる。

宿泊事業者側としては大きな負担となるが、参加条件を徹底することで宿泊客に安心して利用してもらうことにもつながるため、確実に実施したい。

また登録を受けた事業者が参加条件を満たしていない場合、登録取り消しとなるため、大きく売上にも影響することが考えられる。

対策事項の解説

事業者に求められる参加条件はチェックインや公共施設、食事など、場面や場所ごとに定められているが、実際にやるべきことでは検温、消毒、密対策、周知徹底。中でも検温、消毒、密対策が重要になる。

以下にてそれぞれ解説していく。

検温の重要性

新型コロナウイルス感染拡大予防のために、検温は重要視されている。

なぜなら発熱が新型コロナウイルス感染症の比較的多く見られる症状の1つだからだ。

新型コロナウイルス感染拡大した当初は「37.5℃の発熱が4日以上」という基準が設けられ、新型コロナウイルス相談受診の基準となっていた。現在でも医療機関はもちろん、映画館やショップなどで、入場者に対して検温が行われている。従業員に日々の検温を義務付けている企業もある。

もちろん平熱は人それぞれ、新型コロナウイルスに感染している人がすべて発熱しているわけではない。だが検温で有症状者を見つけ、対応することで感染拡大のリスクを下げることができる。中でも発熱という代表的な症状を見逃さない検温は、新型コロナウイルス感染拡大予防として重要だ。

宿泊施設ではチェックイン時の検温や旅行前の検温の周知が対策として行われている。

消毒の重要性

次は新型コロナウイルスに対する「消毒」の重要性だ。日本ウイルス学会が発表している「新型コロナウイルスについて」によると、今回の新型コロナウイルスは「エンベロープウイルスなのでアルコールなどで感染力を失う」とされている。

また現在判明している新型コロナウイルスの感染経路は咳やくしゃみによって飛び散った飛沫を口や鼻から吸い込み感染する「飛沫感染」と手で触れるなど、飛沫に接触した状態で目・鼻・口などの粘膜に触れて感染する「接触感染」の2通りだ。このうち「接触感染」は手指を消毒できていれば、顔周りを触っても感染リスクは低くなると考えられる。

以上のことから消毒は新型コロナウイルス感染拡大予防に重要で、個人や各公共施設などでの対策が求められている。

宿泊施設では、チェックイン時の手指消毒やロビーやレストラン、化粧室などへのアルコール消毒液の設置、ドアの取っ手や扉、エスカレーターの手すり、エレベーター内のボタン等の定期消毒が行われている。

ちなみに「新しい生活様式」では手洗いが推奨されていが、石鹸、ハンドソープなどの手洗いよりもアルコール消毒液による手指消毒が推奨される。

アルコール消毒液が推奨される理由としてまずアルコールは石鹸などによる手洗いよりも「殺菌力が強い」ことや、殺菌力が強いことから「消毒に必要な時間が短い」こと。さらに「乾燥するのが早い」ため、水で洗った時よりも手指にウイルスが付着しづらいことが挙げられる。また石鹸で頻繁に手洗いをしていると、皮膚炎や皮膚損傷などになる場合がある。そのため病院では保湿剤を含むアルコール手指消毒液の使用が推奨されているとのこと。

密対策

最後は密対策だ。厚生労働省が発表している「新型コロナウイルスに関するQ&A(一般の方向け)」によると、新型コロナウイルスの集団感染が発生した場所は以下の3つの密が当てはまる場所が多いとのこと。

1.密閉空間:換気が悪い場所
2.密集場所:人が密集している
3.密接場所:近距離で会話や発生が行われる

この3つを合わせて3密と呼ばれており、3密の場所では飛沫感染と接触感染のリスクが高くなり、集団感染が多く発生している。ただし3つが揃っていなければ安全ということではない。1密でも飛沫感染・接触感染のリスクはあるため、できるだけ0密を目指して対策をしていくことが重要だ。

宿泊施設においては、フロント・ロビーやレストラン・食事処、大浴場、公共施設が密になりやすい。宿泊施設での対策は公共施設の時間制限・人数制限、定期的な消毒が挙げられる。またチェックイン時や対面での検温時にも飛沫感染・接触感染のリスクがあるため、アクリル板の設置やサイネージを導入する宿泊施設が増えている。

宿泊客の安心・安全のために対策徹底が必須

以上、GoToトラベル事業への参加条件と、対策事項を解説してきた。

検温・消毒・密対策は広く周知されていることだが、解説したとおり、重要性が高いため、確実に実施したい。

宿泊客の安心・安全のためというのはもちろん、GoToトラベル事業の参加条件をクリアしないと、登録取り消しとなるため、損失は甚大になってしまう。

後編の記事では対策を実施するために有用な、GoToトラベル感染症対策グッズを紹介していく。

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