赤羽一嘉国土交通大臣は2020年10月30日の会見で、地域共通クーポンの不正利用が発生していることについて、「警察と緊密に連携して対応することになります。」と語った。
不正取得対策は「既に進めている」
国が行っている観光支援事業「Go To トラベルキャンペーン」で付与される地域共通クーポンの不正取得事案が複数発生している。
不正取得はオンラインで宿泊施設を予約し、チェックイン当日15時以降に発行される電子クーポンを取得。その後、宿泊施設には現れずに無断キャンセルという手口で行われている。
千葉県館山市にあるホテルでは、10月25日から8名で5連泊、総額約63万円の予約が入ったものの、当日予約者は現れなかったとのこと。キャンセル料25万円も支払われていない。
赤羽国土交通相は2020年10月30日の会見にて、「本件について、現在、詳細を確認中ですが、一般論として、仮に不正使用の場合には、警察と緊密に連携して対応することになります。」と今後の対応について語った。
電子クーポンの不正取得対策については「事務局、旅行会社等と連携しながら既に進めている」とのこと。具体的な内容については、「セキュリティ上の観点からお答えは差し控えたいと思います。」とした。
赤羽国土交通相はGo To トラベルキャンペーンは大きな国家予算を投じ、コロナ禍で厳しい状況におかれている観光関連産業、地域経済の再活性化への支援であることから、「当然のことながら不正使用は断じて許されるものではないと考えております。」と語っている。
不正取得が続発すると、本来Go To トラベル事業で支援されるべき宿泊施設が甚大な被害を受けてしまう。観光庁やGo To トラベル事務局には警察と連携した早急な不正取得者の特定や不正取得対策が求められる。
さらに不正取得と関連して、観光を主たる目的としない旅行商品や感染拡大防止の観点から問題がある旅行商品、通常の宿泊料金の水準を超えた旅行商品などの問題がある旅行商品は、Go To トラベル対象外とする旨もあわせて告知した。
また同会見では、Go To トラベルキャンペーンの期間延長についても言及。東京を発着する旅行が遅れて10月から対象になったこと、未だにGo To トラベル事業を活用できていない観光地もあること、与党から強い延長要請があることなどを踏まえ、「今後の感染状況、観光需要の回復状況、予算の執行状況等を見つつ、しっかり検討していくことになります。」とのこと。