2018年第1四半期のアメリカのホテル業界の業績予想が、不動産コンサルティング会社や総合コンサルティング会社、報道機関などから発表された。それによると、第1四半期については好調な推移を予想している。
好調に推移するアメリカのホテル業界
2018年第1四半期(Q1)の米国ホテル業界の業績について、STR(Hotel News Nowの親会社)、PwC(世界4大会計事務所・総合コンサルティング会社の一角)、CBRE(米国の商業不動産サービス会社大手)の各社のアナリストは下記のように予想している。
[su_table]
稼働率 | 客室平均単価 | RevPAR | 増室数 | 販売部屋数 | |
STR | 60.9% | $126.79 | $77.21 | 5,147,700 | 3,134,000 |
-0.3% | +1.9% | +1.7% | +2.1% | +1.8% | |
PwC | 61.2% | $127.05 | $77.74 | 5,182,000 | 3,144,000 |
+0.2% | +2.2% | +2.3% | +1.9% | 2.0% | |
CBRE | 61.4% | $128.30 | $78.79 | 5,146,302 | 3,160,640 |
+0.6% | +3.2% | +3.7% | +2.0% | +2.6% |
[/su_table]
※RevPAR:販売可能客室数あたりの客室売上
3社いずれも2018年Q1のホテル業界について、好調な推移を予想している。米国経済は引き続き堅調に推移しており、昨年末に成立した税制改革法案の影響もあり、今後も好景気が継続すると予想されている。
ホテルの増室数が販売部屋数を大幅に上回ると予想されている一方、建設中の部屋数の減少により今後の供給部屋数は減少すると見込まれており、その影響は限定的と考えられている。
稼働率については61%前後の予想で、STRは若干稼働率の減少の予想がなれているが、客室平均単価は3社とも増加の予想。CBREは+3.2%との予想をしており、ホテル業界にとっては売上増が期待できる状況。
油断できない、世界情勢がもたらす影響
しかしながら外国人観光客の訪米については、イギリスからの観光客は、EUからの脱退問題による影響が予想され、他の欧州各国も先行きは楽観視できない。また中国からの観光客は急増しているものの、増加スピードは減速しつつある。よって外国人観光客の需要は、今後は過度な楽観視は禁物と言える。
全体的にはSTRは保守的な見込みであるが、CBREはポジティブな見込みとなっている。ただ、ほとんどの指標でSTRにおいても対前年同期比でプラスの予想となっており、業界の好調さを物語っている。
米国内の景気は引き続き堅調な状況が継続すると予想されており、ホテル需要を後押しするものの、これまでのホテル需要を牽引する外国人観光客の先行きには不透明な部分もある。よってQ2以降も同様の傾向が継続するか、注目に値するだろう。