Airbnb Japan株式会社と徳島県が、県内の空き家を活用した新たな経済機会の創出を目的に連携協定を締結した。Airbnb Japanは、これまでも各地方自治体と協定を結び、地域活性化やまちづくり、コミュニティ形成を支援してきた。北海道釧路市や新潟県佐渡市では、空き家を活用した取り組みにより宿泊数が増加し、経済効果も拡大していることが報告されている。
(出典:Airbnb Japan株式会社)
徳島県では近年、適切に管理されない空き家の増加が地域住民の生活環境に影響を及ぼしている。総務省の令和5年統計調査によれば、県内の空き家は83,000戸にのぼり、全国平均の13.8%を大きく上回る21.3%という高い空き家率を示している。この状況を踏まえ、徳島県は観光振興や交流・定住人口の拡大を図るために「空き家5(ファイブ)戦略事業」を推進している。この事業では、民間事業者を選定し、空き家の選定方法や改修方法、周辺地域への効果、施設運営の工夫などをまとめ、先導的事例として広く発信することを目的としている。
今回の協定に基づき、徳島県とAirbnb Japanは「空き家5戦略事業」を通じてにぎわいと活力を生み出し、県の魅力度を高めることを目指す。Airbnb Japanは観光、人材確保、人口減少という三つのテーマにおいて支援を行う予定である。具体的な活動としては、事業者や地域のニーズに合わせたサポートを行い、空き家利活用の成功事例を創出することや、事例を共有する勉強会を開催し、情報の普及を図ることが挙げられる。また、空き家や空き部屋を活用した起業希望者向けのセミナーや宿泊事業者向けのセミナーを実施し、インバウンド需要の拡大を通じて新たな経済機会を創出することも盛り込まれている。
徳島県は阿波藍の産地や青色LED発祥の地として知られ、自然環境や食文化、四国遍路発心の地としての歴史的背景を持つ地域である。こうした特性を生かし、「ずっと居りたい」「いつも帰りたい」「みんな行きたい」と感じられる徳島の実現を目指している。
Airbnbは2007年に創業し、現在では世界中で500万人を超えるホストが活動しており、20億回以上のゲストを迎えてきた。ゲストが訪れる地域や人とのつながりを実感できるよう、ホストはユニークな宿泊先や他では得られない体験、特別なサービスを日々提供している。