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最も民泊が多い東京都 ホテルに与えた民泊の影響稼働率とは

投稿日 : 2017.12.20

東京都

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来年6月に施行される民泊新法を前に、これまで日本ではあまり盛んではなかった民泊が大きな注目を集めている。東京都でも民泊物件は対前年で20%増加し、その数は2万室に迫る勢いだ。

本稿では、民泊物件が増える東京都にフォーカスして全宿泊施設に対する民泊の割合を明らかにするほか、ホテルに与えた民泊の影響稼働率に迫った。

民泊新法の制定を受けて活況を呈している民泊ビジネス
民泊に関する新たな法律、いわゆる「民泊新法」と呼ばれる法律が今年6月に成立し、2018年6月に施行される。これまで民泊は、「旅館業法」の厳しい規定を満たす必要があったため、民泊事業への新規参入には非常に高いハードルがあった。しかし、民泊新法の制定によりその規制が大幅に緩和され、民泊事業に参入しやすい状況となる。
このような流れを受けて、個人・法人問わず、民泊事業に新規参入するケースが増えている。主だったところだけでも、大京やレオパレス21といったアパート・マンションを手がける企業のほか、大手旅行会社JTBも民泊事業に新規参入を表明している。
そのほか、世界最大の民泊仲介サイトであるAirbnbとみずほ銀行が業務提携を結び、さらに楽天やKDDIが民泊仲介事業に新規参入する予定だ。
このように、昨今では民泊は一大ムーブメントといっても良いほどの広がりを見せてきている。

勝負をしないホテル続出、ホテル価格が下落傾向のワケ
ここ数年、訪日外国人の急増で全国的にホテルの客室数が不足しており、それに伴って宿泊価格が高止まりしていた。しかし、最近ではそのホテル価格の上昇も一服感が出てきている。
日銀が7月に発表した「企業向けサービス価格指数(速報)」によると全業種の平均は前年同月比0.8%の上昇だったが、宿泊サービスの伸び率は0.5%増に留まっている。前月の同指数では、全体平均は0.7%に対して前年同月比1.9%の伸び率を示していたことから、全国的なホテル価格の上昇に急速にストップがかかったと見て良いだろう。
このホテル価格の上昇鈍化の理由は、新規ホテルの開業が相次いでいることに加えて、このところ急速な広がりを見せている民泊にも見ることができる。

東京都の民泊施設数のトップは新宿区
民泊が活況を呈しているのは、東京都も同様である。まずここで、東京都の民泊の広がりを具体的な数字から追っていこう。
メトロエンジンリサーチによると、東京都の民泊施設数のトップは新宿区で4,197件、2位は渋谷区で2,249件、3位は台東区で1,542件となっている。以下、豊島区1,322件、港区1,155件、墨田区800件と続いている。
物件数もさることながら注目しておきたいのは、対前年での伸び率だ。渋谷区や台東区、豊島区では二桁成長を記録しているほか、民泊物件数の多い新宿区では30%近い増加となっている。

出典:メトロエンジンリサーチ

ホテルに与えた民泊の影響稼働率は7.55%
メトロエンジンリサーチによると、2017年9月時点のホテルに与える民泊影響稼働率(民泊の宿泊部屋数※/ビジネス・シティホテル)は7.55%(2016年9月時点6.55%)で、観光庁の宿泊旅行統計調査で明らかにはならない民泊物件が徐々に増えている状況がうかがえる。
※民泊の宿泊部屋数は民泊の部屋数*月間稼働率により求める。

出典:メトロエンジンリサーチ

また宿泊施設全体に対して、民泊物件が占める割合について調査(下図)したところ、住宅地が多くもともとホテルが少ない世田谷区でも約6割を超えるほか、ホテルの客室数も多い新宿区でも約2割もあることが明らかになった。

出典:メトロエンジンリサーチ

民泊施設は、ラグジュラリーホテルのようなフルサービスはないがビジネスホテルよりコストパフォーマンスが高いことやアクセスが良い点等が人気の理由の一つと挙げられる。
今後民泊の物件が増加すれば、ビジネスホテルやシティホテルとの競争がさらに可能性があるだけに、今後もその動向に注目していきたい。

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