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訪日外国人客と民泊〜民泊はホテルの競合となるのか!?①〜

投稿日 : 2018.05.29

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訪日外国人旅行客の増加により、注目を集める民泊。民泊新法施行を前に、さらなる関心を集めている。果たして、ホテル業界にとって民泊は脅威となるのだろうか。連載第一回の今回は最新の観光庁訪日外国人消費動向調査から訪日外国人の消費額、平均支出額と宿泊先に占める民泊の割合から民泊マーケットを考える。

 
訪日外国人の平均消費額は14万9千円
6月15日に迫る民泊新法施行を前に注目を集める民泊の動向だが、その動機としては増加する外国人観光客がある。
観光庁の訪日外国人消費動向調査によると、2018年1-3月の訪日外国人の消費額の平均は14万9千円だった。
主な10か国の訪日外国人消費額の平均は以下の通りだ。
 

訪日各国平均消費額(2018年1月-3月速報)

出典:訪日外国人消費動向調査

 
中国が22万5,923円で消費額としてはトップ、続いてイギリス19万9,971円が続き欧米各国は概ね15-20万円の消費額となっている。少ないのは韓国の6万9,262円で、それ以外の国(地域)は10万円を大きく上回り台湾とタイが13万円台となった。
 
訪日客が宿泊に消費する金額は平均4,257円
1-3月の訪日外国人の消費総額は11,343億円でうち、宿泊費は3,164億円で支出額の27.9%を占めた。
一人当たりでは、平均泊数が9.8泊で、4万1,524円を宿泊料金に消費し、一泊当たりの平均支払いは4,257円だった。
主な訪日各国の宿泊費と平均泊数は以下の通りだ。
 

訪日各国の平均宿泊費と宿泊数

 

出典:訪日外国人消費動向調査

 
平均の宿泊費用が最も安いのは、中国で3,820円、続いてフランス4,146円が続いた。同じアジア圏からの訪日客でもシンガポール7,426円。香港6,920円、韓国5,856円とばらつきが目立った。また、同じ欧州圏でもイギリスが7,584円でトップとなり、下位のフランスと比べると倍近く宿泊にかける費用が異なることがわかる。
 
訪日客の民泊の利用割合は12.2%
このような消費傾向が訪日外国人に見られるなかで、どれほどの訪日外国人が民泊を利用しているのだろうか。
訪日外国人消費動向調査が複数回答で実施したアンケート調査によると、2018年1-3月、訪日外国人の宿泊施設における有料での住宅宿泊(いわゆる民泊)の利用率は12.2%となった。
主な訪日各国の利用率は以下の通り。
 

訪日各国の民泊利用率

出典:訪日外国人消費動向調

 
主な訪日客の10か国の中で、民泊利用率のトップは、フランスの15%で、イギリスの11%、米国の10%がこれに続いた。アジアからは韓国が10%となり、中国と台湾は8%、香港は7%となり、中華圏からの訪日客は割合としてはそれほど多く民泊を利用していないことがわかった。宿泊費用の安いフランスからの訪日客が民泊の利用が多いことが確認されたが、同じく宿泊費用の安い中国と民泊との関係性は見出せなかった。また、イギリスは宿泊費用がトップだったが、民泊の利用率も比較的高いことから、宿泊費用が安いことが民泊利用率の高さを示すとは限らないことがわかった。
なお、民泊利用率ではマレーシアが18%、インドネシアが16%などとなっており、全体の平均を押し上げた形だ。
 
近年急速に日本でも注目を集めている民泊だが訪日客の大多数は依然としてホテルを利用している状況に大きな変化は生じていない。では、ホテルが依然として民泊に対して優位にある理由とは何であろうか。(連載続く)
 

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