(出典:株式会社おてつたび)
株式会社おてつたびは、Z世代の参加者を対象にアンケート調査を実施した。「おてつたび」は、人手不足に悩む地域事業者と、旅先で働きたい人を短期アルバイトとしてマッチングするサービスである。参加者は、自己負担で旅先まで移動する必要があるが、現地で働くことで報酬を得るため、旅行にかかる経済的負担が軽減される。また、地域住民との交流を通じて、その地域の文化や生活をより深く理解できる点が特徴である。
(出典:株式会社おてつたび)
地域事業者側は、外部からの労働力を確保する手段として「おてつたび」を利用することで、報酬や宿泊場所の提供のみで作業を支援してもらえる。さらに、労働者が休日や空き時間に地域を観光することが地域経済の活性化につながると期待されている。滞在期間は1泊2日から最長2ヶ月までと様々であり、平均滞在期間は14日間となっている。現在、登録ユーザー数は6万人を超え、そのうち約52%がZ世代である。
今回の調査は、「おてつたび」の参加者であるZ世代が何を目的にサービスに参加しているのかを明らかにするために実施された。調査は2024年9月13日から19日の間に行われ、69人の有効回答が得られた。アンケート回答者の55%が関東に居住し、51%が学生という属性になっている。
(出典:株式会社おてつたび)
「おてつたび」に参加した動機として特に目立って挙げられたのは、「今しかできない経験をしたい」という意欲である。コロナ禍で制限された学生生活の中、新しい挑戦を求めて参加したという声が多く聞かれた。また、職業体験や地域住民との深い交流を希望する者も多く、ただの観光旅行ではなく、実際にその地域で働くことで視野や価値観を広げたいと考える若者が多いことが明らかになった。
さらに、経済的な理由で「おてつたび」に参加するケースも多く見られた。旅費を抑えながらも、複数の地域を訪れたいと考える学生にとって、このサービスは魅力的な選択肢となっている。例えば、建築を学ぶ学生が全国の町並みや建物を見学し、地域の文化を知る機会として「おてつたび」を活用している。また、長期休暇中の学生が少ない費用で多様な体験を得られる点も支持されている。
(株式会社おてつたびの資料を基に画像作成)
また、おてつたび参加者の「旅の価値観」に関してアンケートを取ったところ、89%の参加者が「旅をすることで地域にいい影響を与えたい」と考えていることが明らかとなった。「旅先で地元の人と交流したい」と考えている人は92%にも上り、さらに93%の参加者が「有名な観光地よりもニッチな魅力を再発見したい」と考えていることも判明した。
地域が抱える“人手不足”という課題を「新たな旅の目的地」として地方への新しい人の流れを生み出し、おてつたび参加者が地域で働くことを通じて、地元の人々と出会い、観光を超えた深い交流を経験するという一つ一つの出会いが、やがて地域に継続的なファン(関係人口)を生み出すとおてつたびは考えている。参加者に行ったアンケートでは、86%以上の参加者が「また地域に訪れたい」と回答し、約6割が「おてつたび」終了後も、地域の方と関係が続いているというアンケート結果も出ており、さらに、移住・定住・就職に繋がった事例も全国に存在する。
今後より人口減少が進行するであろう日本では、特に地方では都市部よりもその影響が顕著となる。株式会社おてつたびでは「おてつたび」を通じて、日本各地に人を循環させ、地域経済も活性化させ、地域がピンチの時に助け合える関係性を全国に築くことを目指している。