コスモヘルス株式会社が運営するシニア特化型の調査プラットフォーム「コスモラボ」は、国内旅行に関する実態を明らかにするため、全国のシニア層を対象としたアンケート調査を実施し、その結果を発表した。本調査は、2024年から2025年にかけての国内旅行におけるシニア世代の行動傾向を把握し、旅行市場における高齢者層の動向を分析することを目的としている。
(出典:コスモヘルス株式会社)
調査結果によると、過去1年以内に国内旅行(日帰り含む)に出かけたと回答した人は全体の51.1%であり、半数以上のシニア層が旅行を楽しんでいる実態が明らかになった。旅行の時期としては「秋(9月〜11月)」が最も多く57.6%、次いで「春(3月〜5月)」が44.4%という結果であり、気候が穏やかな季節に旅行が集中する傾向が見られる。紅葉や桜といった季節の風景を楽しむとともに、混雑や暑さを避けたいという意向が背景にあると考えられる。
(出典:コスモヘルス株式会社)
旅行の目的については「観光・散策」が70.8%と最も高く、「温泉・スパ」と「食事・グルメ」がともに45.1%と続いた。名所旧跡や自然景勝地を訪れると同時に、温泉で癒やされ、地元の味覚を楽しむという、複合的な体験が求められていることがうかがえる。宿泊施設の選択では「ホテル」が72.9%で最多となり、「旅館」の56.3%を上回った。バリアフリー対応の充実やサービスの標準化、料金体系の明確さがホテル選好の要因と見られる。
(出典:コスモヘルス株式会社)
旅行の滞在日数では「1泊」が45.1%で最も多く、「日帰り」が23.6%、「2泊」が22.2%と続いた。3泊以上の旅行は少数派にとどまり、シニア層の旅行は短期間で完結する傾向が顕著である。この背景には、体力への配慮や生活との両立の観点があると考えられる。また、旅行プランを選ぶ際に重視する要素としては「価格・費用」が66.0%で最も高く、「行き先」が63.2%、「食事・グルメ」が57.6%で続いた。これらの結果からは、コストを意識しながらも内容の充実を求める、バランス志向の旅行スタイルが読み取れる。
今回の調査結果は、シニア層が季節や費用、体調に配慮しつつ、短期間で充実した体験を求めて旅行している姿を浮き彫りにしている。情報に基づいて価値を見極める消費行動と、心身のリフレッシュを重視する姿勢が、現代のシニア旅行者像として明確に表れているといえる。